
あなたと
恋をして
よかった
■谷川史子さんの短編集です。
読切り3編を収録。
「手紙」…一人暮らしを始めた素子の元に、以前の住人に宛てた手紙が届く。大学生の息子に宛てた手紙なのだが、素子はつい出来心で返信をしてしまう。以来、手紙のやりとりがおこなわれるようになるのだが…。
「ソラミミハミング」…憧れの先輩と暮らす大学生のつぐみ。先輩が社会人になってからは、なんだかお互いすれ違ってばかりで…。
「河を渡る、きみと歩く」…5年間連れ添った恋人のもとから、何も言わず去った果夏。そして何かに導かれるように、そのまま実家に戻ってみたのだが…。
谷川さんの作品を読める喜び。彼女の描く作品はみんな、優しさとせつなさに溢れていて、読み終わった後、心が洗われたような感覚を覚えます。どうしてこの人の描く日常は、こんなにもあたたかく、温度が感じられるのでしょうか。
のっけから賞賛の嵐ですが、好きなものは好きということで。昨年は「くらしのいずみ」、「東京マーブルチョコレート」、「草の上 星の下」と極上の読み切り集たちを送り込んでくれましたが、今年も谷川節は健在。表題作の「手紙」もさることながら、個人的に心を掴まれたのは「ソラミミハミング」。まぁなんというか切ない。女の子が、けなげに頑張るその姿に感動。あと「河を渡る、きみと歩く」では谷川さんには珍しく(?)、ちょっと変化球を入れてきてます。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→「くらしのいずみ」を青年誌で連載していた実績もあるし、読みやすいのでは。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→読んだ後、優しい気持ちになれる作品。オススメです。ただ3編ということで多少物足りなさが残るかもしれません。
作品DATA
■著者:谷川史子
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス クッキー
■掲載誌:クッキー(平成20年5月号),クッキーボックス(平成18年秋号,19年初夏号,20年秋号)
■全1巻
■定価:400円+税
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