
「双星の名の下 私への忠誠を誓え」
「…貴女に私の持てる全てを捧げましょう…お嬢様」
■6巻発売しました。
両親を亡くし、元名家の祖父母に引き取られた氷村良は、セレブ達が集う双星館学園に転入することになる。彼女が入ったのは「Lクラス」。家柄にふさわしい、立派な淑女になるための授業が展開される。月曜の午後にはティータイムなんてものまで催されているから驚きだ。そんな学園の敷地内で迷った良は、たまたま近くにいた男子に助けてもらい、さらには学園の案内までしてもらう。何故かタキシードを着ている彼の名前は、神沢伯王。エリート執事を養成する「Bクラス」の生徒で、以来彼とよく過ごすようになるが…!?
学園執事モノですよ、と。てかこんなジャンルが十分確立されつつある事に驚き。だって学園+執事ですよ。「メイちゃんの執事」(→レビュー)効果もあるんでしょうが、すごいですよね。さてお話は、上記の通り。セレブな学園に放り込まれた普通の女子高生が、独特の校風をもつ学園内で、執事志望の男子と仲良くなり、絆を深めるといったもの。偶然知り合った2人は、とある事件をきっかけに、専属執事の契約を結び、以来伯王は、専属執事として良のサポートをしていきます。また伯王は実は名家の子息で、自分の実力を試すために「Bクラス」に進学してきたという設定があります。それ故伯王は、「Lクラス」の面々にとって憧れの存在で、また彼自身にも執事(正確には「Bクラス」の仲の良い友達)がついているという状況。

元気で前向きというか、気丈というか。狙ってこうなったというよりは、狙って別のところへ着地し、結果こういうキャラが生まれたという感じの、珍しいヒロインです。
ぱっと見たときに由貴香織里っぽいなと思ったのですが、過去に由貴香織里さんがキャラ原案出した作品に携わっていたんですね。でも改めて由貴さんの作品見てみても、そこまで似てるってワケじゃない。うーむ、雰囲気で同じ匂いを感じとったのでしょうか。ただ由貴香織里さんと同じように、絵柄は独特です。ヒロインの良は、そのサッパリとした性格も手伝ってか、下手するとスケバンに見えなくもありません。制服のスカートが長いってのもあるのかな。そのせいかは分かりませんが、設定・ストーリ展開の割にベタ甘感が出ていません。これは好き嫌いが別れるところかもしれませんね。トキメキ&ドキドキを楽しみたいのであれば「メイちゃんの執事」を読めば良いと思いますし、明るく楽しくを求めるのであればこちらを読む、と。とはいえ執事モノ購入層のニーズって大部分が前者だろうしなぁ。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→学園モノとして楽しむ余地はあるんじゃないでしょうか。執事モノは男性にはハードル高いですが、これはどちらかと言うと読みやすい部類じゃないかと。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→ストーリーや展開に、目新しい点がないので。でも齟齬があるわけではありませんし、話自体はしっかりしていて読みやすいです。☆3つに限りなく近い2つということで。
作品DATA
■著者:伊沢玲
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成19年1月号~連載中)
■既刊6巻
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