
家族で暮らした家には
もう帰れないけれど
これからは
ここに帰ってこよう
■3巻発売です。
母親が他界し、父親の工場は倒産、そして父親は借金を抱えたまま蒸発。新たに始まる大学生活に胸躍らせていた岩瀬勇気だったが、それどころではない。入学も取り消し…そう思っていたら、入学金と授業料は全て払われているという。払い戻しも出来ないということで、腹をくくって大学に通う事を決めた。そんな彼女が下宿先に選んだのが「愛☆永遠に…」。大家で小説家志望の愛と、同級生の夢路という、2人のイケメンとの奇妙で貧乏な共同生活が始まった!!
同居モノラブコメです。格安の下宿先として浮上した「愛☆永遠に…」。なんでこんな変なネーミングなのかと言うと、大家の愛(男です)が、入居希望者が出ないようにするため。それにも臆せず、ヒロイン・勇気と同じく貧乏同級生・夢路は入居を希望。愛も二人の事情を汲んで、渋々入居を認めます。とにかく皆お金がなく、日々の生活もカツカツ。肉なんて夢の食材…。そんな状況が、彼らの絆をより強くさせる要因になっているのかもしれませんね。貧乏になれている大学生2人は、早々にこの環境に順応し、毎日を明るく楽しく過ごすように。また愛さんも、ブツブツ言いながらもなんだかんだでこの生活を楽しんでいる様子。そんな3人の、貧乏だけど楽しく明るい毎日を描いていきます。

こたつって、“家族”の象徴みたいなモノだと思うんですよ。こういうシーンって、何にもしてなくても「良いな」って感じてしまいます。
入居希望者出さなくしたいのであれば、家賃を高くすれば良いのでは…という指摘はダメですか、そうですか。いわゆる同居モノではあるのですが、ラブコメ要素は序盤は薄いです。夢路はものすごく勇気のことが好きで、かなり積極的にスキンシップをとっていくのですが、勇気はそれに気づきません(というか意識してない)。愛さんも徐々に勇気に惹かれていきますが、行動に移すには色々と心の準備が…。とまぁこんな感じ。そうならない最大の要因は、貧乏と勇気の性格でしょうか。まずは恋愛よりも暮らしなわけですよ。そして貧乏を乗り越えて生まれるのは、恋愛感情ではなく、仲間意識。恋愛展開は後半もちろん加速してくるとは思いますが、とりあえずはこの状況を楽しみましょう。3人の明るく楽しい共同生活は、見ているだけで温かい気持ちになれます。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→こんな設定でも、甘々展開やトキメキMAXな流れにならないのは、男性にとってプラスなんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→この明るい感じ、いいよね、と。特に何かあるってワケではないのですが、読んでいて非常に心地よいです。
作品DATA
■著者:サカモトミク
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成19年9月号~連載中)
■既刊3巻
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