
俺が視たものを
俺が信じなくてどうするよ
■2巻発売しました。
寺の息子・天空は、跡継ぎになろうともせず、映画監督になるという夢を追いかけ好き放題にしていた。人望厚い住職は、そんな息子を見て絶縁宣言。しかし、明くる日何故か住職は連続殺人事件に巻き込まれ、殺されてしまう。あんなに善良な人間が殺されるはずがない。絶縁を突きつけられたとはいえ、父親の事は誰よりも尊敬し、愛していた。この不可解な父の死の真相を解き明かすため、天空は坊主になる事を決意。渡された形見の品により、特殊な力を身につけた天空は、今日も父の仇を追う!
新世代サスベンス大作との文字がございますが、ファンタジー要素もアリです。表題作だけだと、ついに新ジャンル「坊主萌え」が登場か!?なんて思われるかもしれませんが、そういった趣向で読む作品ではありません。美しい坊主でびぼうずなのですが、性格は一本気の熱い奴で、スマートとは無縁。少年マンガの主人公のようです。さて先にちらっと出したファンタジー要素についてのご説明を。主人公天空は、実は殺された住職の息子ではなく、とある寺から引き取られた子供でした。その家系は代々特殊な力を持っており、死人の記憶を追体験できる「成仏開口秘呪経」を使いこなす事ができます。これによって殺された人の記憶を辿り、犯人に結びつけていくという流れ。

光ります(数珠が)。
いくつもの事件をこの能力によって解決していくのではなく、あくまで一連の事件の謎を解き明かしていくという形。火サスというよりか、「アンフェア」みたいな。設定だけ見ると突拍子もない話のように思えるかもしれませんが、流れが早く、展開も分かりやすいので、気を抜かせず退屈しません。この主人公の真っ直ぐで熱い性格も影響しているのかもしれませんね。タイトル的には美形好きの女性読者を狙ったような感じですが、この流れはむしろ男性向けマンガで見られる感じ。「デスノート」や「ライアーゲーム」のような興奮や面白さはないものの、特殊な設定を使いこなした息をつかせぬ展開は、なかなか引き込まれるものがあります。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→絵柄自体は女性向け感が強いのですが、話の流れ自体は男性でも余裕でいけるかと。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→エンターテイメントとしてはなかなか。読んだ人はみんな「なんじゃこりゃ?」なんて思いつつも最後には「気がついたら全部読んでた」とかなりそう。
作品DATA
■著者:相内美乃/桜井美音子
■出版社:集英社
■レーベル:オフィスユーコミックス
■掲載誌:office YOU('08年11月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各457円+税
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