
アリス
マックスを越えるほどの奏者になれ
■3巻発売しました。
音楽学校の名門として有名なモンドンヴィル学園には、毎年定員100名という狭き門を目指し、近隣諸国から音楽エリート達が集う。そんな学園の今年の新入生は、何故か101人。どうやら特例で入学した生徒が一人いるらしい。その「101人目」の名前はアリスティド。バイオリン専攻で、田舎育ちの彼は、楽譜すらまともに読むことができないという状況。そんなアリスを周囲の者は笑ったが、一度自由に演奏させると、まるで別人のような素晴らしい演奏を披露した。実は彼、天才ヴァイオリニスト・サヴァティエの息子で、とある目的を持ってこの学園に入学したのだが…!?
名門音楽学校に入学した「101人目」アリスの、学園での波瀾万丈な日々を描いた学園マンガです。音楽の基礎はできていないものの、その有り余る才能を見込まれて特例で入学したアリス。彼がこの学園に来た目的はただ一つ。彼の父で、若くして亡くなった天才ヴァイオリニスト、クロード・サヴァティエの愛用したヴァイオリン・Margoに出会うこと。しかしMargoは現在その所在が分かっておらず、その行方を学園生活を通して探っていきます。

数少ない女キャラ・クレアの存在が良いアクセントになっている。
ヴァイオリンの在処を探すといっても、RPGのように何かをクリアすれば出てくるというわけではありません。ヴァイオリンの腕を磨く変わりに、その所在を、お金持ちの家の先輩に探ってもらうという流れ。そのため話は自然と学園生活中心になっていきます。似たような話として、過去に「金色のコルダ」(→レビュー)をご紹介しましたが、こちらの方が良くも悪くも真っ直ぐで少年的。話の造りも分かりやすく、読みやすくなっています。イメージはなんとなく「ハリーポッター」に近い。主人公の行動にイライラしつつも、なんだかんだで読み込んでしまうという。
この先のあらすじというか、行く先はなんとなく見えてくるんですが、それでもキャラや話の造りがしっかりしているので、退屈せずに読む事が出来ます。絵はなんとなく久世番子さんに似てるかなぁ。ごちゃつくコマもあるものの、読みやすいです。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→読みやすいと思います。このレーベルでの読みやすさならば、よしながふみにもヒケをとらない…そこまでは言い過ぎか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→流れが見えやすく、わかりやすい。面白いと思います。
作品DATA
■著者:かわい千草
■出版社:新書館
■レーベル:WINGS COMICS
■掲載誌:Wings('07年6月号~連載中)
■既刊3巻
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