
キミがぼくに歌をくれるなら
ぼくはキミのために力を尽くす
キミは
どうしたいの?
■2巻発売しました。
かつてこの地にあった闇を振り払い、人々を解放した英雄。彼が国を興し、子孫が国王として君臨し、平穏な日々が過ぎていた最中、後継者が不穏な死を遂げる。国王の妾の息子で、出世とは無縁に疎まれて育ったベルカは、心優しい兄の死を受け入れられずにいた。そんなある日、兄の死が、国の政治を司る元老院の陰謀によるものだと知り…!?
有能な後継者の死が、元老院の陰謀であると知ったベルカとオルセリート(第2の後継者)。力を持たない彼らは、さらに元老院の陰謀に嵌められてしまいます。オルセリートは捕らえられ、元老院の言いなりの、飾りの王子としてのポジションが。しかし彼はそれを拒否。あくまで抵抗し続けます。一方の主人公・ベルカはその出自から、アクシデントを装って崖下に落とされてしまいます。結局通りすがりの詩人・エーコに助けられ、一命をとりとめます。その後オルセリートとの再会、そして元老院の陰謀の阻止を目指し町に向かうのですが、町ではベルカに手配書が出され、近づくにも近付けない状態。このままでは見つかって殺されてしまう。状況を判断したエーコとベルカは、とりあえず元老の配下にあるサナを離れ、体勢を立て直すため、旅に出ることにします。

見ての通りなキャラ・エーコ。のらりくらり躱す感じは、「ツバサ」のファイっぽい。
なぜベルカにエーコがついてくるのか。その理由は彼の生き様(=歌)を見たいから。最初は嫌がっていたベルカでしたが、妾の子で疎まれて育ったとはいえ、そこは王族の子。世間一般の感覚を持っていない彼は、下界で自分ひとりで生きていくことに危機感を覚え、エーコがついてくる事を承諾します。旅をしながら、最終的にはオルセリートとの再会→元老院討伐みたいな流れにいくのでしょうが、そこに至るまでの過程がどうなるか、興味があります。
登場人物の配置が分かりやすく、話も淀みなく進んでいます。RPGで言うなら、着々とイベントをクリアしている感じ。話の運び方も上手で、非常に読みやすいです。絵も一迅社らしくキレイ。このレーベルの系統が好きな方であれば、買って損することはまずないでしょう。目新しさや、強烈な引きはないものの、安定して楽しむ事ができる良作。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→女要素薄めも、女装でカバー…できてるか?男性にも読みやすい造りになっていると思いますよ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→突き抜ける感はないものの、安定して楽しむ事が出来ます。買って損って事はないでしょう。今後の展開次第では、オススメも考えないと…。
作品DATA
■著者:遊行寺たま
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUM
■掲載誌:ZERO-SUM(平成20年6月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各552円+税
■購入する→Amazon