やまもり三香「シュガーズ」(1)
今日もどこかで 誰かが
あなたを想っているかもしれない
■片想い、両想い、憧れに、親しみ。青春真っ盛りの高校生達の恋を、甘いお菓子とともに、アナタにお届け。いろんな形、いろんな味の、素敵な恋をお楽しみください。
高校生の様々な恋愛模様をお菓子で繋いだオムニバス集です。タイトルは「シュガーズ」ですか。文字通り、甘い話が多いですね。基本的に話はベタ。それでも描き手に力があるのでしょう、それでも問題無く楽しむ事が出来ます。というか、ベタな感じが香るからこそ、話の甘みが増すのかもしれません。第１巻には６編が収録されており、内４編の主人公が女の子で、残りは男の子が主役。それぞれ主人公は変わりますが、話の舞台となる学校は同じで、繋がりが出るようになっています。
“恋”って良いですよねぇ…(しみじみ)
食べ物で話を繋ぐというと、志村志保子さんの「女の子の食卓」(→レビュー)がありますが、あちらがドライに切なく物語を描いているのに対し、こちらは切なくも、甘さ重視でいかにも“少女のため”という話が展開されます。またお菓子がモチーフになるといっても、メインにドンと据えられるのではなく、驚くほど自然に話に組み込まれてくるので、このタイトルがなければ気づかないかもしれません。
甘さでいえば、同じオムニバス集の宇佐美真紀「春行きバス」(→レビュー)の方が上ですかね。このレーベルなりに甘いということです。だからって正統派って感じも受けないんだよなぁ。そればらばむしろ「初恋限定。」のほうが少女マンガのソレに近いものがあるような気がしますし。この若干感じる「ズレ」の正体は何なのだろうと思いつつも、オススメで。読みやすいし、ベタは好きなので。
【オトコ向け度：☆☆☆ 】
→甘いんだけど、主人公に男を据えている話があるところに活路を見出したい。
【私的お薦め度：☆☆☆☆ 】
→読みやすさ＆ベタだけどありきたりじゃない所が良いです。新人さんなんでしょうか？だとしたら、さらなる飛躍も期待できそう。
作品DATA
■著者：やまもり三香
■出版社：集英社
■レーベル：マーガレットコミックス
■掲載誌：マーガレット(平成20年No.21～連載中)
■既刊１巻
■価格：400円＋税
■購入する→Amazon
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