
まだ今時
あんたみたいな子いるんだ
絶滅したかと思ってた
■色気より食い気の純恋は、新しい学校への転入を期に、初カレシゲットを目論んでいた。年明けの転入を控えた大晦日の雪の夜、純恋が出会ったのは、不思議でとてもカッコいい男の子。彼に連れられるように、何故か一緒に初詣に行き、かんざしまで買ってもらい、別れた。一夜限りの出会いだったが、彼のことがなかなか頭を離れてくれない。あれは一夜限りの思い出なんだから・・・そう自分に言い聞かせ、新しい学校に乗り込むと、そこにはなんと雪の日の彼が。彼の名前は佳月、日本舞踊・都流宗家の長男で、天才と謳われている期待のホープだった!
ドジでちょっと天然バカな女子高生と、日本舞踊界の期待の跡継ぎのを描いたラブコメです。大晦日の夜、運命的な出会いを果たした二人は、やがて学校で再会。しかし自由奔放な佳月に、純恋は軽い嫌悪感を抱きます。それでもアプローチをしてくる佳月に、徐々に心開いて…という感じ。1巻終わりで早くもくっつきますが、お相手は日本舞踊の宗家ですから、越えるべき障害はたくさんあります。とりあえず家人、そして当然のように許嫁が。ヒロインが少しおバカなので、いかに佳月とのカップリングに説得力を持たせるか、というのがこれからの課題になりそう。

うおっまぶしっ!この爽やかさは大きな武器。
設定も展開も、特に目新しい点はありません。しかしこの作品、結構読める。というのも、恐らくお相手である佳月の存在が大きいのではないのかなぁ、と。少コミというと、登場するヒーローの多くが強引系。なんて言うんですかね?肉食系?まぁ男からすると「ねーよ(笑)」と言いたくなるようなキャラが多いんですが、佳月くんはそうしたテイストは残しつつも、ちょっと変わった特徴(爽やか&上品)を持ち合わせています。
爽やかさと上品さというのは、なかなか出そうと思って出せるものではありません。一応積極策に打って出るシーンもあるのですが、ポイントポイントで爽やかさや上品さを組み込んでくるので、嫌悪感を抱かせない。男でも読めるとは言いませんが、向かないだろうとは思いません。何が違うんでしょう。距離感?それともキャラの描き方の問題?
【オトコ向け度:☆☆ 】
→佳月くんは良い。ただマイナスがゼロになるぐらいの効果であって、プラスに転じるところまではいかないか。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→キャラは評価しますが、ストーリー自体は非常に凡庸。もうちょっと変わったキャラとか投入させても良かったかな、と。ただ完成度自体は高いと思います。
作品DATA
■著者:蜜樹みこ
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:Sho-Comi('09年第1号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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