御徒町鳩「腐女子っス!」(1)
恋って一体
なんなんでしょう■2巻発売しました。
コスプレイヤーのユキ、同人マンガ描きのめぐみ、そして同人小説描きのえり。3人は同じ高校に通う、仲良し“腐女子高生”。腐女子高生には、3次元の恋愛なんて無縁?いえいえ、2次元に腐りながら、ちゃんと3次元でも恋愛しちゃうんです。でもやっぱり、腐女子ってハードル高いですよね?男の子にとって。愛する趣味と愛する相手、その間で、今日も彼女達は悩み、腐り、萌え死にするんです!?
腐女子高生の趣味・友情・恋愛を描いた、青春グラフィティです。もうすっかり標準語として定着しつつある「腐女子」。そんな彼女達は、一体どんな恋愛をするのか。腐女子を笑いのネタにせず、真っ正面から描いた作品でございます。だからこれは「腐女子マンガ」じゃなく、「青春マンガ」なんだと言っておきます。そういうスタンスで腐女子を描くからこそ、その痛さや真剣さ、面白さが浮かび上がってくる。腐女子をネタにした作品は数多く出てきていますが、この作品はそれらとは一線を画すような気がしますね。

この姿勢が大事なんじゃないですかね。無理に迎合する必要はないと。
「腐女子がこんなにモテるはずがない!!」なんてツッコミもありそうですが、実際はどうなんでしょ?ガチの腐女子を目にしたことがない私は何も言うことができません。しかしこの作品を読んで思うのは、腐女子って、自分を「腐女子」って枠にカテゴライズしてアイデンティティを確立してしまっているのが良くないのではないか、ということ。“腐”って人間を構成する中での一部分に過ぎないと思うんですよ。イメージとしては、自分⊃腐。だけど腐女子の方々は、それに懸けるモノ(情熱・お金・時間etc...)が大きすぎるあまり、自分=腐ないし自分⊂腐ぐらいの勢いで自分を捉えているんじゃないのかなぁ、と。だから好きな人へも、自分ではなく、趣味を理解してもらおうというベクトルに。いや、実際はどうなのか知らんけど。
要は、趣味を理解してもらうのも良いけど、とりあえず自分を理解してもらえればいいんじゃない?と。逆に言うと、好きな相手の趣味を理解するのではなく、ソレが好きな当人への理解をまず心がけよう、と。ま、自分への戒めみたいなものですかね。これは腐に限らず、全ての趣味に言えることですので。ってなんだか話がだいぶ飛びましたが、要はオススメってことです。腐に理解のある方もない方も、是非読んでみてください。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】→腐女子について知るのなら、「腐女子彼女」(→
レビュー)よりもこちらのほうが良いかもしれません。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】→3者3様の恋愛模様。面白いと思いますよ。
■御徒町鳩さんの他作品レビュー
*新作レビュー* 御徒町鳩「みどりのまきば」作品DATA■著者:御徒町鳩
■出版社:角川グループパブリッシング
■レーベル:シルフコミックス
■掲載誌:SYLPH(vol.3~連載中)
■既刊2巻
■価格:各580円+税
■購入する→
Amazon
/
bk1