くまがい杏子「苺時間」(1)
言っただろ?
意地張らずに
ちょっとくらい人に甘えろって■ビンボー少女・市子は、格安の寮費に惹かれて木園学園に入学。しかし寮は改装中で現在入れないという。どこにも行くところがない…。そんな彼女を見かねて、管理人が社員用マンションの空き部屋を紹介してくれた。早速その部屋に向かうが、何故かその部屋には男の人が。事情を話して何とか部屋においてもらうことになった市子だったが、これってよく考えたら同棲!?しかも同居相手・蘭はイケメンだけどドSで生意気な人でなしで…
オーソドックスな同居モノです。くまがい杏子さんといえば前作「放課後オレンジ」が有名。まずまずのヒットを飛ばしたことで、連載誌でのポジションはもう安泰というところでしょうか。放課後オレンジは少コミの割に地味目のお話でしたが、今回は設定がこれですか。ただ話の展開自体はくまがいクオリティという感じなので、既存のファンはがっちりというかんじでしょうか。

くまがいさんって胸ネタがやや多い気がするんですが、気のせい?
同居までの流れはどう考えてもありえない。ですが、そこで文句を言ったら話がはじまりませんので、スルー推奨でお願いします。とりあえず同棲相手となった蘭くんは、同じ学園の2年生。あれ、なんで社員用のマンションに?という話になってくるのですが、彼は学園の生徒でありながら、理事長職もこなすというスーパーボーイ。ステータスは申し分ありません。一方そんな彼に振り回される市子も、実は入試の成績でトップ3に入るという秀才だったりします。まぁ作品中では微塵もそれを感じさせないのですが…。
また話はそれだけでは終わらず、入院中の蘭の弟が、過去に市子と関わりを持っており、お互いにとって大切な存在としてインプットされているという設定が。ある程度展開は読めますが、あらかじめこういった設定を見せておくことで、ストーリーを安っぽくさせない効果があるの…かな?一応帯に「エロキング」とありますが、あくまでネタ的なエロと下ネタが中心。すぐにベッドシーンにいかないあたりは、ある程度実績のある作家さんゆえの余裕か。
【オトコ向け度:☆ 】→がっつり女性向け。
【私的お薦め度:☆☆ 】→男からすると「ありえん」となるような話ではあるのですが、これを男女逆転で演じたら、確実に男性からの支持は得られるだろうなぁ、と。つまり女の子の「憧れ」みたいなものを体現した作品で、そう言う意味ではちゃんと評価すべき作品なのかもしれないですね。でも自分、男だしなぁ。
作品DATA■著者:くまがい杏子
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comi
■掲載誌:('09年第3・4月合併号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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