華夜「雪咲恋咲」
俺の自慢の
彼女だよ
■小さい頃からいつもひとりぼっち。そんな雪姫の唯一の居場所は、大ちゃんこと瀬戸大翔くんのお祖父さんが経営していたレストラン。今はもうそのレストランはないけれど、今でも大ちゃんの隣が私の居場所。けれど大学生の大ちゃんは、高校生の自分を子供扱いしてばかり。自分はこんなに想っているのに…。悲しくなった雪姫は、ついに大ちゃんと大げんか。ついには「もう干渉しない」とまで言われてしまい…!?
で、結局付き合うことになるんですけどね。ってそれはまぁ少女マンガですから。というわけで、華夜先生のデビュー作のご紹介でございます。このお話、くっついて終わりではありません。晴れて恋人同士になったものの、貧乏な大ちゃんはバイト三昧でろくに雪姫の相手をしてやれません。それが不満の雪姫は、あろうことか同じ店にバイトとして潜入。当然そこで一悶着起こるわけで。また雪姫の家は非常に裕福な家庭で、大ちゃんとの交際が父親に知れ、二人の関係が引き裂かれそうになったりします。
読切りのちょい役・桜庭さんを敢えてピックアップ。かわいいです。しかし少コミではこういうタイプのキャラがヒロインになることが少ないので、悲しい。
デビュー作ということを考えれば、それなりに良く描けているのでしょうが、あえて苦言を。とにかくイベントの繋げ方が粗いです。例えば最初に二人がくっつく展開も、大ちゃんが雪姫に惹かれているポイント・仕草の描写が一切なく、それで突然好きだなんて言われてもなぁ、と。いや、そこまで我慢するんだったら、告白されてもOK出さないんじゃ？「好きだけど、苦労させるだけだから我慢しよう」という設定や、１話ごとでのドラマチックな展開という考えもあったのでしょうが、３回連載なのだから多少そういう部分を意識しても良いんじゃないかな、と。
感情の揺れ動きは当然大きいですが、これは少コミスタンダード。それとほぼエロなしというところに驚き。今後もこのスタンスでいくのでしょうか？個人的には黒髪ストレートの女の子の描写が可愛いと思いました。でも話を考えると、活発で少々バカっぽい明るい髪色のキャラのほうが動かしやすいんだろうなぁ。ってか少コミのニーズもそっちの方がありそうだ。
【オトコ向け度：☆ 】
→少コミ系は基本男の人には向きません。
【私的お薦め度：☆☆ 】
→純正派ドラマチックな話より、多少ネタに走った設定の方が面白いかも。同時収録の読切りは結構楽しく読めました。
作品DATA
■著者：華夜
■出版社：小学館
■レーベル：Sho-Comi
■掲載誌：Sho-Comi('09年第５号～第７号)
■全１巻
■価格：400円＋税
■購入する→Amazon
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