
一度すれ違ってしまった
あたしたちのタイミングは
もう二度と
交わらないのかな
■2巻発売しました。
父親と二人暮らしで、主婦代わりの生活を送っている女子高生・美羽。興味があるのは恋じゃなく、もっぱらスーパーの特売セール。そんなある日、3年前にアメリカに引っ越していった幼なじみの慶太が隣の家に戻ってきた。弟のように小さかった慶太は、少し見ない間に、すっかり大人っぽく、そしてカッコよくなっていた。その変貌ぶりに戸惑いを隠せない美羽。そして、彼女の頭の中には、3年前のあの日の出来事が
幼なじみの恋愛模様を描いたお話でございます。主婦のような生活を送るヒロインと、3年の時を経て、見違えるようにカッコよくなって帰ってきた幼なじみ。実はこの2人、過去にちょっとしたすれ違いを起こし、後味の悪いまま別れてしまっています。その出来事というのが、慶太からの告白。旅立つ前に、せめて自分の気持ちを伝えようとしたのでしょう。しかし美羽はその想いに気づかず、ふざけて受け流してしまいます。後になってその想いに気がついた美羽は、激しく後悔。しかし時すでに遅し。そのまま連絡も取れず、現在に至るという状況。そして再び慶太が目の前に。しかし慶太は、まるであのことがなかったかのように明るく自然に振る舞います。その態度に、戸惑いを覚える美羽。さらに慶太と一緒に過ごすことによって、自分の慶太への想いを自覚。どうすることも出来ない状況に、戸惑いを募らせます。

慶太くん、幼なじみキャラとしてのツボはしっかり心得ております。
要は、両想いなんだけど、過去の出来事が緒を引いて、素直に行動できないというお話。慶太は美羽を困らせないように、あくまで親友として振る舞おうとし、美羽は過去の罪悪感から、今更好きだなんて言えないと、やきもきしたまま慶太と付き合っていきます。とにかくその場で足踏みしているだけのようなストーリーなので、読み手によってはイライラするかも。けれどその分、当事者同士の心の揺れ動きが丁寧に描かれるので、じっくり読みたい人には向いているかもしれませんね。
男性が少女マンガを拒否するときのテンプレ台詞といえば「少女マンガってあれだろ?なんか男と女が好きだの嫌いだのウダウダやってるだけのヤツ。」という感じだと思うのですが、この作品はまさにこの手のタイプと言えるでしょう。大部分の男性が「少女マンガ」と聞いて想像するイメージは、こんな感じなんじゃないですかね。それをどう受け取るかは各人の自由ですが、私は「だから良いんじゃないか」って言いたい。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→クセのない作りになっているので、読みやすさはあるんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→少女マンガど真ん中ということで、敢えてオススメにしてみたい。いや、単純に好きなんですよ、こういうお話が。
作品DATA
■著者:藤沢志月
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2008年8月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各400円+税
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