
神さま
もう一度あの卒業式の日に戻してください
そして今度こそ必ず
あのウサギを受けとるの
■新装版発売しました。
負けず嫌いで、背は低いほう。ちょっと生意気だけど、笑うとカワイイ。仁美は、そんな宮本が大好き。だれが見たって、宮本と仲が良いのは自分。だけど、自信が持てない、宮本の心が読めない。受験も終わり、高校も同じところへ行くことになった。そして、中学最後の日、卒業式。なんだか良い雰囲気になって、“告白”の二文字がちらついた仁美だったけれど…!?
「僕等がいた」再開へ着々という感じ。今月も新装版出てます。この作品は2000年に初版が出てますね。ということは、もう10年前ですか…。時の流れの早さに驚きます。さて内容は、絶対両想いなのに、なかなかくっつかない、そしてだんだんそれが溝に変わってくるという2人がメイン。小学校とか中学校のとき、こういうカップルが1~2組はいましたよね。

小畑作品のヒロインは、基本ワガママでズルいところがあります。でもそれを感じさせないところが上手いところ。
どこにでもありそうな恋愛風景を、見事に素敵な物語に仕立て上げてしまう手腕はさすが。2作品収録されていますが、どちらも心が「きゅう」となる恋物語になっています。モチーフは基本一緒。何もなければ順調なのに、タイミングが合わなくて、結果邪魔が入る、と。けれど最後は結ばれる。心情描写が上手いので、何度読んでも飽きが来ず、毎回感動してしまいます。結局自分のタイミングというか、心の整理の部分が重要視された話なので、そういう恋愛観をお持ちの方はきっと共感できるでしょう。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→小畑作品が好きな人なら。ここから入るというのも手ではあります。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→なんだかんだで上手いです。ってこれ初の連載作品なんですね、それを考えるとやっぱりスゴい。
■作者他作品レビュー
【名作ライブラリ】小畑友紀「きみの勝ち」
小畑友紀「スミレはブルー」
小畑友紀「スミレはブルー」レビュー続編
作品DATA
■著者:小畑友紀
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:別冊少女コミック(2000年4月号~6月号)
■全1巻
■価格:419円+税
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