
…遠くからじゃ 気づかなかった
いろんな表情 ぬくもり
もっと
もっと 近づきたい
いつか 私も 伝えたい その言葉を…
■鳳姫美子15歳、同じクラスの男子に憧れる、普通の女子高生。けれどクラスでは、「ヒミコさま」と呼ばれ、恐れられている。それは、彼女が少し恥ずかしがりやで、他人よりちょっと表情に乏しいから。一応笑顔を心がけているけれど、いざ笑いかけると怖がられてしまう。これじゃあ恋どころか、友達作るのも…。と思っていたら、彼女にはじめての友達が!しかもそのお相手はなんと、憧れの男子・悠くんで…!?
無表情女子と、明るいドンカン男子の、もどかしい平行線ラブコメディです。これ「君に届け」に似てますね。クラスのみんなと仲良くしたいけれど、その外観&名前から怖いと誤解されているヒロイン・姫美子。そんな彼女に近づいてきたのが、憧れの男子・悠。とにかく他人に対して壁を作らない彼は、いとも簡単に姫美子とクラスメイトとの間にあった壁を飛び越えてきます。それをきっかけに、クラスメイトとも徐々にコミュニケーションをとれえるように。また悠の親友たちとも仲良くなります。そうなると次は、恋ですよ。以前から悠に憧れを持っていた姫美子は、その想いを明確な恋心に変え、なんとか相手をしてもらえるよう頑張るようになります。

心は完全な乙女。ただそれが驚くほど外面に出てきません。
「君に届け」と違うのは、メインキャラの性格でしょうか。君届の爽子は、友情がメインで、恋心なんて発想もありませんでした。それに対し姫美子は、最初から悠を憧れ(王子様と重ねていた)として捉えており、発想も、恋に恋する乙女という感じ。また相手役も、風早くんが多少なりとも恋愛を意識していたのに対し、悠は恋愛云々の発想は全くナシ。どれだけ姫美子がアピールしても、「友情」という枠で受けとめられてしまいます。ただ姫美子との付き合いによって、微かに恋心の萌芽が見えてきており、今後恋愛要素が強くなっていくのでしょう。ただ“もどかしさ”を売りにしているので、そう簡単にくっつくなんてことはあるまい。
姫美子の家がお金持ちという設定があり、基本好きなことができるようになっています。それゆえイベントは学校内外に関わらず作りやすくなっていますね。また父親が娘を溺愛する変人で、度々話に登場。連載誌がChuChuということで、読者の年齢を意識したキャラ配置ということでしょうか。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→コメディとして読むのであればOKかな。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→「君に届け」読者は良くも悪くも比較してしまうでしょう。未読というスタンスで考えると、このぐらいか。低年齢向けの連載誌ですが、年齢設定は高校生ですし、話の作り・展開もしっかりしているので、大人でも余裕で読めます。
作品DATA
■著者:中嶋ゆか
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ChuChu(2008年11月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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