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2009.06.05
otokomaeikuseikatei.jpg吹山りこ「オトコマエ育成課程!」(1)


男修行を目指して入学したってのに
また女子に振りまわされるの!?



■2巻発売。
 銀色祥太は、4人姉弟の末っ子の高校1年生。姉3人という環境の中で育ったため、男らしさがまるっきり身に付かなかった。そこで祥太は、男修行のためと、男子高への入学を決意。しかし入学初日、生徒会長・愛染に目をつけられてしまい、何故か隣接する白花女子学院に奉仕する委員会の一員に加えられてしまう。早々に女学院へと足を運ぶ祥太は、そこで衝撃的な出会いをする。白花の生徒会長・二藍が、超絶イケメン(女子なのに!)だったのだ!その姿に思わずときめいてしまった祥太。この想いは男惚れ!?それとも…
 
 男子高に入学したのに、なぜか女子高の生徒達に奉仕を繰り広げるという設定のお話。男子高・鴉羽高校と女子高・白花女子学院がそれぞれ隣接していたのですが、春の嵐によって鴉羽の校舎の一部が倒壊。それを助ける措置として、白花が施設を貸し、その代わり鴉羽の生徒に奉仕をしてもらうという関係性が作られました。そんな奉仕委員の一員に任命された祥太。姉3人に鍛えられたため、女性の扱いには慣れています。難なく任務をこなす彼は、気づけば花白の生徒会長・二藍のお気に入りに。とにかくイケメンプレイボーイ(女だけど)の二藍に、祥太はタジタジ。憧れ、恋心、友情…よくわからない感情が一緒くたになって、どんどん二藍に惹かれていきます。


オトコマエ育成過程
女性の扱いを一番心得ているのは間違いなく祥太。自分もかくありたいものですが、なかなか…。


 「オトコマエを目指す」という出発点から、やがて恋物語に発展していくという形態。女性との対峙の仕方は、主人公の祥太が一番心得ているのですが、「男前」とは話の次元が違ってきます。そうした中に登場する、両校の男前な生徒会長たち。そんな彼らと付き合いつつ、奮闘する主人公の日々を綴った、要は学園コメディです、ハイ。
 
 このお話の売りを紹介するならば、花白の生徒会長・二藍和に尽きるでしょう。女子高の王子様というヤツで、ジャニーズや宝塚スターのような扱い。当然二藍もそうした目を意識しており、王子様として立派な振る舞いをします。そんな所に現れた、好みの男の子・祥太。ある種の男女逆転型のお話のような気もしなくはないですが、こういう男子は実際にモテる。異性の兄妹姉妹がいる人って、異性との距離の取り方が上手なんですよね。見ためはそんなでもないのに、恋人が切れたことがない人って周りに何人かはいると思うのですが、こういうタイプの男性がスゴく多いように思います。


【オトコ向け度:☆☆   】
→祥太の振る舞いは参考にすべきかも。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→疑似BL?とはいえ基本は学園コメディなので、その間口は広いと思われます。ただ強く推せる要素に欠けるので、この評価。


作品DATA
■著者:吹山りこ
■出版社:エンターブレイン
■レーベル:B's-LOG COMICS
■掲載誌:B's-LOG(2008年6月号~連載中)
■既刊2巻

■購入する→Amazonbk1


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