
私は
好きなの
先生も
この生活も
■5巻発売です。
熊猫高校2年、梶文乃は、乱暴者のレッテルを貼られても、自分の正義を貫く逞しい16歳。幼い弟を抱え、路頭に迷ったところ、担任の尾白一馬に拾われ今に至る。文乃「中途半端な同情しないでよ!!だったらあたしと結婚して養ってくれんの!?」,一馬「あ
白泉社随一の悶え度を誇る教師×生徒の同居ラブコメです。導入がスゴいことになっているのは白泉社スタンダード。あとはいかに楽しい物語を描き出せるかが重要になるのです。勢いから始まった新婚生活。そこに愛などない。そう考えていた文乃でしたが、優しく接してくる一馬に、次第に惹かれていきます。そうなると、気になるのは夫婦の事情。一応結婚しているのだから、することはしなくちゃ…とはいえ文乃は、夜の営み以前にキスさえもしたことのないウブ女子。それ以前に、一馬は興味すら示しちゃくれない。ここに愛は!?そんな感じで展開されるお話でございます。

忙しい展開の中に、フッとこういうシーンを差し込んでくるから好き。
先生×生徒というモチーフは少女マンガには腐るほどあるわけですが、これは少々ぶっ飛んだ設定と、作者さんの展開のさせ方の上手さが絶妙にマッチし、この上ないほどの悶えを届けてくれます。描き手によってこうも変わってくるかと実感できるのが、ベタ設定の良いところ。コメディ→感動への切り替えも上手で、グッと話にひきこみます。
この作品の魅力は、なんといっても一馬先生じゃないでしょうか。正義感たっぷりの頼れる生徒⇔恋に悩む女の子というギャップを楽しめるヒロイン・文乃もさることながら、一馬先生はその上を行く触れ幅。気弱な地味教師⇔ドSモード(おふざけとか)⇔優しく包容力のある夫⇔元ヤン設定からくるヒーローモードと、様々な顔を楽しむことが出来ます。ネタは多くすれば多くするほど動かしやすくなりますが、同時に全て使い切る難しさが出てきます。ベタ設定というシンプルな土台の上で、個性派キャラ達が好き放題動くという状況は、田中メカ先生だからこそ作り出せるもの。白泉社のラブコメは、コレを読まずに語れない。それぐらいレーベルの色と作者の腕が出た良い作品じゃないかな、と。リアリティなんていいんです、とにかくこの物語に溺れてみようじゃありませんか。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→白泉社系のお話が好きな方は。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→好きですねぇ。実際ハマるかどうかは別として、読みやすいと思います。傑作ラブコメ。
■作者他作品
*新作レビュー* 田中メカ「7月の魔法使い」
作品DATA
■著者:田中メカ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成19年3月号~連載中)
■既刊5巻
■購入する→Amazon