
誰もが政略結婚と
信じて疑わない王子と姫は
ゆっくり距離を縮めながら
今日も恋をしています
■2巻発売、完結しました。
「自分勝手で無責任」、「周囲の迷惑を考えぬ愚か者」、「いつも遊び歩いている」…そんな悪評高いガルニア王国の王子との縁談が持ち上がったローシェン王国の姫・アルディーナ。どうせ結婚するのであれば、せめて自分で王子を一目見て、覚悟を決めたい。そう考えたアルディーナは、外交官のじいやに無理を言い、男装してガルニア王国へ赴く。そして出会った王子・イジーは、噂とは違う仕事熱心な青年で…!?
姫と王子の恋物語…とも違うか。男装してイジーに近づき、一緒に過ごすことで彼の良さを知ったアルディーナは、本心から「結婚したい」と願うように。またアルディーナの男装を見抜いていたイジーも、彼女のことを気に入り、政略結婚ではなく、正式な結婚をすることになります。しかし巷に流れるのは、イジーの悪評と政略結婚の噂。読切りスタートなので、二人の仲はすでに良好。お話は、世間や周囲の人達の誤解をいかにといていくかという部分に移っていきます。

アルディーナは無自覚でこういうことしてくるからズルい。でもイジーにはこのくらいで丁度よいのです。
なぜイジーがここまで悪評高いかというと、とにかく仕事熱心なため。管理地の視察が主な仕事なのですが、常に身分を隠して伺うため、周囲の人間からすると、いつも城にいない放蕩王子となってしまうというわけ。また彼自身非常に口べたで、いつも言葉が足りずに相手に誤解を与えてしまうこともしばしば。なんだか理科系の男子を見ているようで、好感が持てます。たぶんこういう男の子にはアルディーナくらいわがままなほうが丁度良いのでしょう。
一方のアルディーナは、なぜか男装がデフォ。イジーが大好きな彼女は、とにかく少しでも多く彼といたいと、仕事先にも同行するというアグレッシブさ。しかし一国の姫である彼女をそのまま連れて行くのは危険すぎるということで、男装に落ち着くというわけです。また彼女自身、色恋に関しての考え・感情が非常に幼く、その辺も少年っぽさを演出する要因になっているのかもしれません。先に。「周囲の誤解を解くのがメイン」を書きましたが、実際にイベント発生の要因になるのは8割方アルディーナのせいだったりします。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→少女マンガ特有の「甘さ」は控えめなので、そう言う意味では読みやすいかも。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→メイン2人は共に親しみの持てる、良いキャラだと思います。ただ決め手に欠ける印象。
作品DATA
■著者:可歌まと
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa DX(平成19年11月号~平成21年3月号)
■全2巻
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