
守護霊さま
どうかあたしに勇気をください
なりたい自分に生まれかわるための
■9巻発売しました。
聖夜学園でウワサの小学生・日奈森あむ。クールでカッコよくて、みんなから一目置かれる存在。けれどほんとは、単に口べたで意地っ張りなだけ。なりたい自分に生まれかわりたい…!そう強く願ったら、突然3つのカラフルなたまごが。そこから生まれたのは「しゅごキャラ」。なりたい自分が形になった「しゅごキャラ」との出会いから、あむの毎日は変わり始めて…!?
PEACH-PITさんの作品を簡単に説明するなんて無理。さて、アニメ化もされ大人気のこの作品、作者は「ローゼンメイデン」でおなじみのPEACH-PITさんです。ヒロインはクールで意地っ張りのあむ。そんな彼女が、なりたい自分に生まれかわりたいと強く願ったことで、「しゅごキャラ」が生まれます。しゅごキャラは、なりたい自分が形になったもので、自身の理想の姿を実現するお手伝いをしたりします。マスコット+相棒みたいな存在とでも…。しゅごキャラのいる人間のことを「キャラ持ち」と言い、聖夜学園でキャラ持ちは「ガーディアン」として大きな権力を握ることが出来ます。ガーディアンの一員になったあむは、その後、×たま(良くない影響を与えるたまご)の浄化を一任されると同時に、何でも願いを叶えてくれるというたまご「エンブリオ」をめぐる争いに巻き込まれていきます。

序盤からぶっ飛んでます(2つの意味で)。こりゃあアニメ化しても映えるわな。
全体を見れば、単純なバトルファンタジー作品ですが、根底に流れるのは「なりたい自分」というテーマ。なりたい自分になれない葛藤や、いざなりたい自分を出しても、今までの自分のキャラとのギャップに落ち込んだりと、なかなか上手くいきません。これは現実世界でも同じ。この物語を通して、作者さんは「なりたい自分を出していこう」といったメッセージを出しているのかもしれませんね。そういったテーマを、完璧にファンタジー作品に落とし込んでしまう手腕は、見事という他ありません。
しゅごキャラは「大人になると消えてしまう」という設定があるのですが、悲しいなぁ、と。子供だからこそ、なりたい自分を持っているという考え?確かに大人になると、そういった考えはなくなるかもしれません。でも、いいじゃない、大人がなりたい自分を語っても。あーでもいざ考えると、たしかに思い浮かばないなぁ…。
「なりたい自分になる」というフレーズは、女性誌で結構見られるフレーズだと思います、ananとか。化粧やファッションなどで、インスタントに「変身」ができる女性にとっては、男性に比べキャラチェンジもしやすいんじゃないでしょうか。インスタントにキャラチェンジができるこの作品も、そういった下地があるからこそ、受け入れられてる部分があるんじゃなのかな、となんとなく思いました。読者は低年齢ですが、そういったマインドは少なからず育っていると思うのです。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→PEACH-PIT作品ですが、基本は女子児童向けですよ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→良く出来た面白い作品だと思います。ただ大の男が読むには少々キビシいものが(笑)
作品DATA
■著者:PEACH-PIT
■出版社:講談社
■レーベル:KC なかよし
■掲載誌:なかよし(2006年2月号~連載中)
■既刊9巻
■購入する→Amazon