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Tag [新作レビュー] 2009.06.11
reokun.jpg萩尾望都「レオくん」


いいもん!
だってぼく
ネコだもん



■レオくんは、2歳のオス猫。お隣のタツルくんが小学校に行くって言うから、自分も小学校に通ってみた。かと思えば、お見合いしてみたり、仕事をしてみたり、果ては映画俳優を目指してみたり…。猫だけど、人間と同じように生活してみたい。でも猫だから、人間と同じように生活するのは難しい。猫だけど、猫だって、猫だから楽しい、レオくんの毎日です。

 花の24年組、萩尾望都先生の新作です。全1巻で、オス猫・レオくんの奮闘の毎日を描いた動物ファンタジーです。最初は小学生に挑戦、それからお見合い、マンガのアシスタント、雑誌編集、映画スターと徐々にそのステップが大きくなっていきます。けれどやっぱり猫は猫、できないことは出来ません。人間の生活に挑戦しつつも、最終的には「猫でよかった」みたいな所に着地します。


レオくん
2足歩行するし、会話もできる。ただ肝心な所は猫。


 最初の話が小学校に入学する内容だったので、ちゃんとした行いができない子供を猫に置き換えたお話なのかな、と。浅野いにお「おやすみプンプン」みたいな。しかしそうではなかったみたいです。というのも、そのテーマは1話で早くも終了。むしろ例えるならば「コジコジ」(→レビュー)か?

 終始一貫しているのは「猫への愛」。多分発端はそこで、好き放題描いたって感じなんじゃないでしょうか。好きだからこそこういうお話が描けるわけで、ある種究極の愛で方なんじゃないでしょうか。ただ1話だけ肌色の違う話(小学生の女の子がレオくんに恋するという内容)を混ぜ込んでおり、「それだけじゃないんだよ」というアピールはしっかり。そこはさすがといったところ。


【オトコ向け度:☆☆   】
→この愛で方は男性の共感得られるのだろうか?少々疑問です。
【私的お薦め度:☆☆   】
→私も含め、大多数が萩尾先生に求めるのはこういうお話じゃないでしょう。あくまで「別物」として捉えておくべきかと。


作品DATA
■著者:萩尾望都
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックスα
■掲載誌:flowers(2008年7月号~2009年6月号)
■全1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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