萩尾望都「レオくん」
いいもん!
だってぼく
ネコだもん■レオくんは、2歳のオス猫。お隣のタツルくんが小学校に行くって言うから、自分も小学校に通ってみた。かと思えば、お見合いしてみたり、仕事をしてみたり、果ては映画俳優を目指してみたり…。猫だけど、人間と同じように生活してみたい。でも猫だから、人間と同じように生活するのは難しい。猫だけど、猫だって、猫だから楽しい、レオくんの毎日です。
花の24年組、萩尾望都先生の新作です。全1巻で、オス猫・レオくんの奮闘の毎日を描いた動物ファンタジーです。最初は小学生に挑戦、それからお見合い、マンガのアシスタント、雑誌編集、映画スターと徐々にそのステップが大きくなっていきます。けれどやっぱり猫は猫、できないことは出来ません。人間の生活に挑戦しつつも、最終的には「猫でよかった」みたいな所に着地します。

2足歩行するし、会話もできる。ただ肝心な所は猫。
最初の話が小学校に入学する内容だったので、ちゃんとした行いができない子供を猫に置き換えたお話なのかな、と。浅野いにお「おやすみプンプン」みたいな。しかしそうではなかったみたいです。というのも、そのテーマは1話で早くも終了。むしろ例えるならば「コジコジ」(→
レビュー)か?
終始一貫しているのは「猫への愛」。多分発端はそこで、好き放題描いたって感じなんじゃないでしょうか。好きだからこそこういうお話が描けるわけで、ある種究極の愛で方なんじゃないでしょうか。ただ1話だけ肌色の違う話(小学生の女の子がレオくんに恋するという内容)を混ぜ込んでおり、「それだけじゃないんだよ」というアピールはしっかり。そこはさすがといったところ。
【オトコ向け度:☆☆ 】→この愛で方は男性の共感得られるのだろうか?少々疑問です。
【私的お薦め度:☆☆ 】→私も含め、大多数が萩尾先生に求めるのはこういうお話じゃないでしょう。あくまで「別物」として捉えておくべきかと。
作品DATA■著者:萩尾望都
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックスα
■掲載誌:flowers(2008年7月号~2009年6月号)
■全1巻
■価格:400円+税
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