このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
2009.06.12
alice.jpgQuinRose/ほしの聡明「ハートの国のアリス」(1)


「ここは夢の中の世界…?」
「お前が夢だと思うならそれで構わないだろう
 だがこれは
 ゲームを進めない限り終わらない夢だ」



■3巻発売しました。
 自宅の庭で昼寝をしていたアリスの目の前に、突然ウサギ耳の青年が現れた。寝ぼけているのかな…?そんなことを考えているうちに、気がつけば全く知らない場所に連れてこられていた。着いた先は、不思議の国。メルヘンチックなのに、住人全員が何かしらの武器を所持している。これは現実?それとも夢?不思議な国での、アリスの不思議な生活が始まった…!!

 原作は、童話「不思議の国のアリス」をモチーフとした恋愛アドベンチャーゲームです。ヒロイン・アリスが、ウサギ耳の青年によって不思議の国に連れてこられ、「ゲーム」に強制参加させられるというお話。ゲームというのは、アリスがその国の住人たちと触れ合い、小瓶に不思議な液体が満たされたら終了、元の世界に帰れるというもの。この辺はいかにも恋愛シミュレーションらしさが出ていますね。しかしながら「不思議の国」の全体像は謎が多いまま。住民全員が武器を持っていたり、謎の”残像“という存在…。物語は、住民達との触れ合いを通して、その裏にある「不思議の国」の秘密を探っていく流れになります。


ハートの国のアリス
序盤はとにかく謎が多い。この謎解きをヒロインと共に楽しめるかどうかも、この作品を味わう上で重要になってくる。


 実はこの世界は、アリス自身が望んだ世界だという設定があったりします。現実世界で、想っている人に愛してもらえなかった彼女は、自分自身にコンプレックスを持っており、心の奥底で「皆に愛されたい」と願うようになりました。そうして連れてこられたのが「不思議の国」。この世界では、皆がアリスを愛します。しかし「不思議の国」自体はアリスが生み出したのではなく、元からあった世界。その住人のウサギ耳の青年の願いと、アリスの願いが偶然一致し、それを夢魔がコネクトしたという経緯があります。そのため「不思議の国」は、彼女が望んだ世界でありながら、全く彼女の意のままにならない世界であり、ゆえに物語は不条理巻き込まれ型の様相を呈しています。
 
 モチーフはルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」。ヒロインのアリス=リデルって、実在した人物なんですね、彼女をモデルに作品が描かれた、と。ちなみに姉のロリーナも実在した人物がモデルになっています。その辺を忠実に取り込んでくるあたりにこだわりが感じられて嬉しい。しかしモデルのアリスって、一般でイメージされてるアリスとは似ても似つかないですね(→Wikipedia)。あとどうでも良いですが、中学生のとき文化祭の出し物でアリスを演じたことがあり、個人的に「不思議の国のアリス」は思い入れが深いです。あの時の衣装は今も実家に取ってありますよ。別に着るわけじゃないのに、なんで取ってあるんだろう…。


【オトコ向け度:☆☆   】
→恋愛シミュレーション原作ですが、あからさまな感じがないので読みやすいと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→表紙だけで得した気分になりませんか?内容もなかなか面白いです。ただグッと引き込むほどではないので、この評価。


作品DATA
■著者:QuinRose/ほしの聡明
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックスアヴァルス
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(2007年12月号~連載中)
■既刊3巻

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「ComicBlade avarus」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。