
大丈夫だ!
でっかく泣け!
笑いたくなったら歌ってやるから
■身長180㌢・体重75㌔の女子高生・マイは、その大きな身体がコンプレックス。こんな身体じゃ普通の恋なんてできやしない。というか、友達すらとくに作れてない…。いつもその身体の大きさをからかわれてきたマイは、身体の割に、気がすごく小さい。そんな彼女に、初めて対等に接してくれるクラスメイトができた。クラスの人気者の男女、マサミちゃんとヒロくん。二人との付き合いで、徐々に変わり始めたマイ。そしてついには恋も
大きな体がコンプレックスのヒロインが、そのコンプレックスに向き合いながら、恋に友情に奮闘していくというお話です。とにかくその巨体がコンプレックスのマイ。少しでも小さくなりたいと願った結果、小さくなったのは“気”でした。口癖は「ごめん」「しょうがない」「大丈夫」。からかわれ続けた結果生まれた防衛策。そんな彼女を、初めて「女の子」と言ってくれた男子が出現。それが、クラスの人気者・実規田ヒロ。とにかく他人に対して壁を作らない彼は、マイにも積極的に話しかけてきます。異性からの初めての承認に、マイの中にあった“憧れ”は、明確な“恋心”に変わっていきます。

異性からの承認をきっかけに、自分のコンプレックスを認めるように。“克服”という言葉がよく似合うたまきちひろ「Walkin’ butterfly」(→レビュー)とはベクトルが異なる。
話は序盤の恋愛路線から、後半ヒロの再生物語に変わっていきます。終始ガチンコ恋バナはキツいと判断したのか、単なる伏線回収なのかはわかりませんが、メインテーマが「ヒロインのコンプレックスの克服(承認)」なので、この回り道は正解なのかもしれません。そのため恋愛要素は少女マンガの割に薄め。この辺はデザートらしいっちゃらしいですが、結果人気が出なかった?いや、最初から1巻完結の予定だったのでしょうか。
ちなみにヒロインのモデルは当初、南海キャンディーズのしずちゃんだったらしいのですが、急遽新垣結衣に変更、しかし編集からのダメ出しがあり、結果このような姿になったそうです。しずちゃん+ガッキー÷2?ってか身長体重の割に横に大きすぎやしませんかね?
あとこの記事がタイムリーすぎて笑ったのでリンク貼っておきます(→ニュー速クオリティさん「ギャルゲやエロゲで狙いすぎて失敗したキャラクター 」)これはぽっちゃりな女の子に対する反応なので、縦と横にデカイ今作のヒロインとは違うのかもしれませんが、ぽっちゃり好きの男性は多いですよ。かく言う私もぽっちゃり好き。身のほどさえわきまえていれば、ぽっちゃりにはぽっちゃりなりの魅力があるんです。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→可もなく不可もなく。風早くんといい、最近はこういう男子がトレンドなんですかね。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→試みは認めますが、ストーリーとしてそこまで惹かれるものがあるかというとどうだろう。齟齬があるわけではないので、マイナスにはなりませんが、かといって大きなプラスもない感じ。
作品DATA
■著者:森下温
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート(平成21年1月号~6月号)
■全1巻
■価格:438円+税
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