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2009.01.18
究極ヴィーナスしげまつ貴子「究極ヴィーナス」


俺を信じればいいんだ
覚えておけ
俺だけはお前を裏切らない
お前を守ってみせる



■一昨日、6巻発売。
 貧乏な家庭に育った高校生の柚。父の残した借金を返し終わったと同時に、母親が亡くなり、さらにアパートを追い出されてしまう。行くあてもなく呆然とする柚の前に突然、柚の祖母の秘書を名乗る男が現れる。説明も程々に、今まで会ったこともない祖母のもとに連れて行かれた柚はその状況に困惑する。なんと祖母は国内の有力グループのひとつ・白征グループの会長だったのだ。連れてこられた理由は、白征グループの後継者にするため。その日以来、後継者として祖母の大豪邸で生活するようになるのだが…!?

 貧乏がしみついた女子高生が、突然大グループの後継者として生活することになり、慣れない環境に戸惑いながらも適応してゆくというお話。大グループの後継者ということで、当然その身を狙われることもしばしば。そのため、教育係の秘書をヒロインと同じクラスに転入させ、ヒロインをつきっきりでガードします。
 
 秘書萌えっていうか、ボディガード萌え的なところを狙っているのでしょう。サスペンスあり、笑いあり、恋愛要素あり、学園生活ありと、結構色々な要素が楽しめる作品になっています。これが「どっちつかず」にならないのは、作者さんが絶妙なバランスでそれらをミックスしているから。私は設定的に若干昼ドラっぽさを感じてしまうのですが。
 
 
【オトコ向け度:☆☆   】
→ヒロインの紅ちゃんはなかなか好感が持てます。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→バランス感に尽きますが、結果として決定的な「売り」をなくしてしまっている感も。


作品DATA
■著者:しげまつ貴子 作者HP→「HUG!
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセス(2006年9月号~連載中)  
■既刊6巻
■定価:各400円+税

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