
私どうなってるんですか?
声に視線に体温に震える
これは なんです?
■SHOさんからご紹介いただきました。情報ありがとうございました。
魔女の学校の優等生・祈織は、卒業試験の課題で“恋のお薬”を作ることに。“恋のお薬”を作るには、実習材料として選んだ男の子の恋心が必要。つまり、その相手に好きになってもらわなくてはならないのだ。祈織が選んだ相手は、尊敬する大魔法使いで、今は人間界で暮らしている道綱のひとり息子・葵。その家に、ホームステイという形でお世話になることになった祈織は、あの手この手で葵に近づく。しかし葵は祈織を全く相手にせず、大苦戦。果たして祈織は、無事卒業試験をクリアできるのでしょうか…!?
魔女の学校の生徒が、恋のお薬を作るためホームステイ先の男の子相手に奮闘するという、ファンタジーラブコメです。恋のお薬を作るには、相手の男の子の恋心が必要。しかし、祈織は“恋愛”に関しては全くの無知。そのため、相手の心に訴えかけるようなアプローチではなく、力で服従させようという、間違ったアプローチをしてしまいます。また、相手の葵も、祈織の攻撃に負けじと攻勢に打って出ます。元来持ちたるSッ気と、父から受け継いだ魔力の強さ、そして頭のキレで祈織を翻弄。この行動は、間違ったアプローチをする祈織をたしなめるための行為なのですが、そんなこと祈織には分かるはずもなく、お互いの溝は深まるばかり。お互い気持ちは向いている(ってか好きってバレバレ)なのに、肝心な所で素直になれず、意地を張ってしまう。そんなやきもき感を楽しむお話です。

優等生設定ですが、魔法以外に関しては基本アホ。髪おろしてるほうが個人的には好みなんですが、良いカットが無かった…。
高宮智先生の描くキャラは本当にかわいい。以前「ソラオト」(→レビュー)をご紹介した際に、ヒロイン・羽華がスゲーイイと書いたんですが、こちらのヒロイン・祈織もまた破壊力抜群です。142センチという低身長に、敬語がデフォ、そんでもってちょっとバカと、萌えのカタマリみたいなキャラでございます。一応魔女の学校では優等生だったらしいのですが、物語中でその片鱗を垣間見ることはほとんどできません(笑)いや、でもこのくらい突っ走ってしまうキャラのほうが親しみが持てて良いと思いますよ。ただ敬語は、あくまでちゃんとした敬語を使ってもらいたいかな。どんな台詞でも、必ず語尾が「~です」だから萌えるんじゃ!という主張があるとは思いますが、正しい敬語を使うキャラってのもまた良いではないですか。
高宮作品は往々にして、設定やシナリオが破綻している場合があるのですが、この作品は珍しく(失礼)しっかりまとまった仕上がりになっています。高宮作品を読む際の期待度割合は大体、キャラ:設定:ストーリー展開=8:1.5:0.5ぐらい。なので、別にシナリオがすごいことになってても全く問題ないのですが(私はね)、設定&展開が良いに越したことはありません。てかその辺は編集さんがしっかりすればなんとでもなると思うんですけど。発想は良いのだから、後はそれをどれだけ詰められるかが大切なわけで、そこは編集さんの腕の見せ所じゃないのかなぁ。そうすれば、一気の飛躍もあると思うのですよ、うん。
今回はリクエストからのご紹介でしたが、「私も何か紹介したい!」とか「これレビューして欲しい!」という方がいらっしゃいましたら、気軽にリクエストしてください。高評価やレビュー時期に関してのお約束は出来ませんが、遅れてでも必ずレビューはするつもりですので。。。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→祈織かわいいよ、祈織。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→キャラが魅力的なのはもちろんですが、それを支えられるだけの設定と展開が、この作者さんの作品にしては珍しく揃っています(あくまで「基準を満たしている」というニュアンスですが)。当然オススメ。
■作者他作品レビュー
【名作ライブラリ】高宮智「ソラオト」
作品DATA
■著者:高宮智
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ChuChu(2006年7月号~11月号)
■全1巻
■価格:390円+税
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