
円
パパとママね
宝くじで一億円当てたの
■6巻発売しました。
両親が宝くじで一億円当て、ビックリの円。しかし、その使い道を聞いてさらにビックリすることに。なんと、そのお金で医者になるというのだ!両親は仕事を辞め、実家で受験勉強に専念。一方転校を嫌がった円は、両親の知り合いの麻木家の離れでお世話になることに。変わり者の奥さんと、その息子でチビガキの知世、そして時折麻木家を訪れる、クラスメイトの小野…宝くじがきっかけで、円の運命はなんだか変な方向に回り始めて…!?
女子高生・円の、爆走青春ラブストーリー…なんて言うと、ただ青春を突っ走る爽やかマンガのように思えてしまいますね。爆走しているのは円ではなく、ストーリー全てです。だってのっけから宝くじ一億円で医者になるですよ!?あまりに突拍子もない展開ですが、その理由は至って真っ当で、腑に落ちてしまうから不思議。これ以外にも、なんじゃこりゃって展開があるものの、決してネタにはならない所が、この作品の良い所。いい塩梅にバカというかね。

この作品でピックアップすべきは小野なのかもしれませんが、私はどうしようもなく知世に惹かれてしまうのです。というわけで折衷案。
麻木家という良く知らない家(とはいえ離れに暮らし、生活は全く別)でお世話になることになった円は、その家の息子・知世(中二)と仲良くなります。離れを自分の解放区と位置づけている知世は、円が入居してからもお構いなしに離れを訪れ、気がつけば一緒に過ごすように。円は、年下の男の子との不思議な関係を楽しみつつも、時折麻木家を訪れるクラスメイトの小野の事が気になります。物語のメインとなるのは、この三角関係について。年下の知世と、同い年の小野との間で揺れる円の恋愛模様を、変なテンション(褒め言葉)で描いてきます。
私は知世が好きなんですが、その理由を考えた時出てきたのが、「知世が一番普通だから」という答えでした。とにかく変人揃いのこの作品において、唯一私たちと重なる部分があるというか、理解できるキャラなんですよね。普通と言ったらつまらないキャラのように捉えられてしまうか、じゃあ「一番現実にいそう」で。あれ、変わってない?まぁ小野との対比でそう思えてるだけなのかもしれませんが…。てか小野はショージ朝倉「ピースオブケイク」の川谷とむちゃくちゃ被るんだよ、あの食えない感じが。
6巻からは、円が大学生に、そして知世は高校生になっています。なんか作品の雰囲気変わった?あ、小野は自由人です、ハイ。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→この感じは男性もOKかと。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→どこが良いかと聞かれると、返答に困る。それゆえオススメはしづらいんですが、好きなんで。変な勢いが感じられるというか。
作品DATA
■著者:池谷理香子
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:Cookie(平成18年10月号~連載中)
■既刊6巻
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