
「絶対ダメ」なんて
言えるくらい何度も失敗した?
のんちゃん向かっていった?
■末次由紀さんの復帰第1作。4編の読み切りが収録されています。
恋に奥手な保育士と、親心でその恋を応援する50歳の女性のあたたかな関係を描いた表題作「ハルコイ」。
バツイチの銀行員と付き合いながら、結婚を夢見る三十路ウェディングプランナーの心の揺れ動きを描く「指輪の片想い」。
恋愛至上主義だった派遣OLが、ひょんなことから流行らない町の小さな食堂を手伝い自分の居場所を見つけていく「美彩食堂」。
仕事に明け暮れる母を元気づけるため、小さな女の子が健気に奔走する「ななつの約束」。
恋物語を正面から描いた作品は「指輪の片想い」ぐらいで、基本的に描いているのは人と人の繋がり・絆。どれも優しさとあたたかさに溢れた作品になっています。末次由紀さんというと、最近では百人一首を題材にした「ちはやふる」が話題になっていますが、巷ではまだまだ「スラムダンクとかをトレースした漫画家」ってイメージなんでしょうかね。トレース発覚以前もそれなりにクオリティの高い作品を発表していましたが、復帰後はそれらとは段違いというか…。きっかけがトレース事件というのはなんとも皮肉ですが、これによって完全に一皮むけた感があります。膿を出しきったんでしょうね。個人的に応援してあげたい作家さんです。というかよく講談社は手放さずにいたなぁ、と。それどころか復帰後は猛プッシュでサポート…それだけ作品に魅力があるのか、はたまた人望が厚いのか。
【オトコ向け度:☆ 】
→それぞれ登場する女性達を、等身大で描く内容。一方男性は等身大で描かれているのかと言われると少々疑問。別にそれだけで判断してるわけじゃないのですが。基本的にはマンガ好きの女性が好んで読む作品でしょう。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→当然良い作品…なのですが、「ちはやふる」と比較するとここまでになってしまうかなぁ。
作品DATA
■著者:末次由紀
■出版社:講談社
■レーベル:コミックスビーラブ
■掲載誌:BE LOVE(2007年第6・13・20・22号)
■全1巻
■定価:400円+税
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