
「とらわれごっこ」をもう一度。
■4巻発売しました。
189センチの高身長に加え、体格も良く強面で学校中から恐れられている小熊くんと、147センチで学校一の低身長な大熊さん。ある日大熊さんが、ちょっとした拍子に小熊くんのカバンに牛乳をぶちまけてしまう。カバンの中身は、なぜか着物。彼曰く、付加価値がついて数十万だとか…。「責任取ってもらおうか」その一言と共に、大熊さんは小熊くんにとらわれてしまう。果たして何をされるのやら…。恐怖におののく彼女が連れて行かれた先は、なぜかアンティーク着物のお店「こぐまや」で…!?
実は小熊くんは、このアンティーク着物の店の倅(彼の祖母が経営しているので、正確には孫)で、この牛乳事件をきっかけに、大熊さんに店で働いてもらおうとした、というのが事の真相。低身長で若干寸胴の彼女は、着物を着せるのにうってつけの存在なんだとか。アルバイトを通して大熊さんは、学校で恐れられている小熊くんの、意外と真面目で可愛らしい性格を見出し、距離を縮めていきます。元々読み切り用に描かれていたと思うのですが、それもあって1話目で二人はカップルに。以降のお話は、くっついた後の二人の関係についてや、怖いと誤解されている小熊くんをクラスに馴染ませるといった方向に進んでいきます。

1話目でカップル成立。段差を使っても、まだ見上げなくてはならないほどの身長差が、なんとも素敵じゃないですか。
少女マンガのみならず、恋愛が描かれる作品の楽しみ方としては、どちらかの視点に立って、感情移入しながらという方式が主だと思うのですが、その他の楽しみ方として、完全な第3者視点でニヤニヤするという楽しみ方もあります。この「とらわれごっこ」は、どちらかというと、後者で楽しめるような作品じゃないでしょうか。とにかく初々しい二人のやりとりを、親とか兄姉的な目線で見てニヤニヤする、と。ホント「お前ら中学生か!!」という感じのプラトニックさ。
バイト先が着物屋と言うことで、着物や浴衣のシーンがとっても多いです。個人的に着物や浴衣は大好物。浴衣で花火デートなんて言ったら、青春ストライクすぎて困ってしまいます。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→楽しげなラブコメということで。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→この二人だからこそ成り立つやり取りってものが拝めるのは、なかなか貴重なのかもしれません。マンネリ懸念はあるものの、そこまで長引かせることもないでしょうし、おすすめで。
■作者他作品レビュー
サカモトミク「愛のもとに集え」
作品DATA
■著者:サカモトミク
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:ザ花とゆめ(平成18年4月1日号~連載中)
■既刊4巻
■購入する→Amazon