碧也ぴんく「天下一!!」(1)
……ありがと
でもそれじゃ駄目なんだ
百二十回も戦をした男を
守んなくちゃいけないんだあたし■武井虎、こんな名前だけど、女子高生。家が古武道の道場をしており、父親に厳しく逞しく育てられてきた。携帯すら持てず、なかなか周囲に馴染めない生活に嫌気がさしてきたある日、うさぎの被り物をした男(?)に話しかけられる。「こいつはアブナイ!」瞬時に判断した虎はダッシュで退散…そして冷静になってあたりを見回すと、そこは戦国時代で!?
少しだけ逞しい女子高生.虎が、戦国時代にタイムスリップしてしまうというお話。タイムスリップに関わっているのは、どうやら怪しげなウサギ野郎。タイムスリップ先に現れた彼曰く、歴史を変えることによって時空が歪み、元に戻るためのルートが用意できるという。その条件は「織田信長を本能寺で死なせない」こと。彼女が辿り着いた時代は戦国時代で、彼女を拾ったのは、奇しくも織田信長を狙う紀州は雑賀衆の武士・無二。虎に小姓としての素質を見出した彼は、虎を鍛え、男として織田の近くに潜り込ませようとします(虎が女だということは知っているものの、虎自身が男として近づくことを決めた)。そしてトントン拍子で話は進み、気がつけばあっという間に織田信長の小姓に。無二の入れ知恵はあったものの、彼女自身の性格が気に入られ、小姓になることができたという感じ。

ウサギに関しては正体が一切明かされない。ウサギの目的など関係なしに、ただ自分が元の時代に戻るためだけに虎は奔走する。今後この辺についても明らかになってくるのでしょう。
話の目的は、虎が元の時代に戻ること。そのために「織田信長を本能寺で死なせない」という条件が課され、そのためのお話が展開されるという流れです。小姓というのは、生活云々の面倒まで見てくれる秘書みたいな存在で、常に武将の側にいます。森蘭丸もその一人で、もちろん物語のメインキャラとして登場。小姓部隊の中で唯一虎の正体(女だということ)を知り、サポートしてくれる存在に。美形揃いの小姓部隊ということで、一応ハーレムものの一つになるんでしょうかね。織田信長は男色の気があったので、美形集団というのも当然の流れ、もちろんそれに関するイベント(BLね)もありますよ、と。
序盤は無二とのやり取りがメインだったのですが、小姓になってはそうそう絡むこともできまい。さて今後どう関わってくるのやら。設定から、なんとなく話の流れは見えてくるものの、本筋以外での話の展開のさせ方・キャラの描き方が上手いので、ついつい読み続けてしまう面白さがあります。
【オトコ向け度:☆☆ 】→ハーレムものですが、甘々ってわけではないですし、ストーリーもしっかりしてるので、それなりに読みやすいんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】→物語の方はワクワク感たっぷりですが、ストーリーがしっかりしているという安心感も同時にアリ。さすがですね。
作品DATA■著者:碧也ぴんく
■出版社:新書館
■レーベル:WINGS COMICS
■掲載誌:Wings('08年12月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税
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