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2009.06.26
syounenhakaryudo.jpg喜久田ゆい「少年羽狩人」(1)


俺はな
「自分の心を決して裏切らない」
お前を信じてるんだ



■3巻発売になりました。
 見目麗しく、美しい羽根を持つ貴重な種族「妖精族」。その羽根を手に入れると、幸せが掴めると言い伝えられており、裏では高い価格で取引されている。彼ら妖精を狙うのは、妖精ハンター。どんなことをしても羽根を手に入れようとする、非道な存在。そして、ハンターに対抗するのが、有志によって設立された、妖精保護団体。そのメンバーの一人である青年・シエルは、ある日一風変わった妖精ハンター・レンに出会う。監視の名の下に、彼の旅路についていくのだが…!?

 相対する存在である妖精ハンターと、妖精保護団体。その二人が出会い、行動を共にすることから始まる、ファンタジック妖精物語です。ファンタジック妖精物語ってなんだろう…。さて、このお話のミソですは、妖精ハンターのレン自身が、実は妖精であるというところにあります。なんで妖精ハンターを名乗っているのかというと、過去に故郷の村を壊滅させた、ある仲間の妖精を殺すために行動しているから。故に狩りの対象となるのはその妖精のみで、他の妖精に対してはむしろ保護的ですらあります。そんな彼に不思議な魅力を見出したのか、妖精保護団体のシエルは勝手に彼の後をついてくるように。妖精ハンターを名乗っているレンからすれば、非常に迷惑な話ではあるのですが、なにかと役に立つ機会が多いので、甘んじて行動を共にしているという状態。最初はギクシャクしている二人の関係の中に、時を経るごとに“絆”が生まれて行く様を見守るというのも、この作品の楽しみの一つ。


少年羽狩人
最初は食えないキャラでいくのかと思いきや、シエルとのやりとりによって崩れていくレン。そこもまたカワイイのですけどね。


 妖精はただ存在が貴重だというわけではなく、魔法のような不思議な力を使うことが出来ます。羽根を手に入れた人間も、同様に不思議な力を使うことが出来るため、「幸せになる」と言い伝えられているようです。物語から、他者の不幸によって手に入れた力では、幸せになんかなれないよ、というメッセージが含まれているようにも感じたのですが、それだったらもっとメイン以外のイベントが多くなるのか。話は基本的に、レンの敵討ち中心に進んでいきます。ま、それだとシエルの存在は?ってことになるのですが、ちゃんと彼に関するストーリーも用意されており、そのへんは抜かりない感じ。メインキャラにどれだけ感情を持っていけるかがこの作品を楽しむための鍵をなるので、基本は女性向けでしょうね。


【オトコ向け度:☆☆   】
→一迅社のファンタジーでも女子向け感が強い作品。
【私的お薦め度:☆☆   】
→この設定のみでひっぱっていくのは結構辛いんじゃなかろうか。キャラに魅力を見出せない限り、このお話は楽しめない。だからといって特徴的なキャラってワケでもないですし、どこか既視感の漂う作品だな、という印象。ファンタジー好きで、そういう楽しみ方ができる人は。


作品DATA
■著者:喜久田ゆい
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUM COMICS
■掲載誌:ZERO-SUM(平成18年8月号~連載中)
■既刊3巻
■価格:各552円+税

■購入する→Amazonbk1

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