このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2009.06.28
momoirokoihana.jpg三つ葉優雨「桃色恋花」


どうか
どうかどうか
逢わせてください
私の 運命の人    



■桜がとても綺麗な学園・緋櫻花学園高校。ソメイヨシノが咲き乱れる中に、ただ一本赤い葉と凛とした花が咲く山桜がある。その下で、心の中で呪文を3回唱えると、運命の人と出会える   
そう亡くなった母に教えられたさくらは、半信半疑ながらもその伝説の桜を見つけ出し、じゅもんを唱えた。すると本当に、彼女の目の前に鋭い眼差しの少年が現れる。運命の相手…そう確信したさくらだったが、翌日再会した彼に冷たくあしらわれてしまう。さらに彼女を待っていたのは、壮絶なイジメ。その先で、さくらが見たものとは一体…!?

 身分違いの運命の恋を描いた、学園もののラブロマンスです。母親の言い伝えに従い、セレブ学校に進学したヒロイン・さくらは、まるで運命のような出会いを果たします。そのお相手は、学園で一目置かれている藤堂隆之。伝説どおりの出会いをしたものだから、出会って間もないのに馴れ馴れしく近づいてくるさくらを、隆之は一蹴。そこから一気に、さくらへのイジメが始まります。首謀者は、隆之の許嫁・奈々華。さくら、隆之、そして奈々華の想いがそれぞれ交錯し、暗く切ない物語が展開されていきます。


桃色恋花
隆之にはツンデレの気あり。必要ないのに、運命の相手とかいうワード出しちゃってるしね。


 時代設定は現代?しかしストーリー自体は結構古風な設定ですね。20年ぐらい前の少女漫画ならばしっくりきそうな感じ。今の時代にこの設定を持ってくるとしたら、ハチャメチャ設定のコメディに落とすか、女の子の願いを強めに出した゛おとぎ話"に昇華させるかしないと、厳しいんじゃないぁと個人的には思うのですが。それに加え、1巻完結の割りにかなり展開を詰め込んだ印象も。この展開を描くのであれば、1巻では少なすぎる気がする。結果かなり忙しいお話になってしまいました。絵柄的にも、急展開よりかじっくり悲しみや喜びを描き出すほうが、活きるんじゃないでしょうか。同時収録の読みきりは、アッサリ目の設定にもかかわらず、なかなか味わい深い作品に仕上がっていましたし。うーむ、なんとももったいない作品だったな、という印象でした。


【オトコ向け度:☆     】
→男性向けの要素は実に少ない。昼ドラ的なお話が好きな方は。
【私的お薦め度:☆    】
→ベツコミらしさが悪い方向に出てしまった感じ。作者さんの腕云々というよりも、些細なマイナス要素が重なりに重なってしまったというか。同時収録の読みきりは結構面白かったので、次に期待です。


作品DATA
■著者:三つ葉優雨
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2009年4月号ふろく)
■全1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「ベツコミ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。