三つ葉優雨「桃色恋花」
どうか
どうかどうか
逢わせてください
私の 運命の人 …■桜がとても綺麗な学園・緋櫻花学園高校。ソメイヨシノが咲き乱れる中に、ただ一本赤い葉と凛とした花が咲く山桜がある。その下で、心の中で呪文を3回唱えると、運命の人と出会える
そう亡くなった母に教えられたさくらは、半信半疑ながらもその伝説の桜を見つけ出し、じゅもんを唱えた。すると本当に、彼女の目の前に鋭い眼差しの少年が現れる。運命の相手…そう確信したさくらだったが、翌日再会した彼に冷たくあしらわれてしまう。さらに彼女を待っていたのは、壮絶なイジメ。その先で、さくらが見たものとは一体…!?
身分違いの運命の恋を描いた、学園もののラブロマンスです。母親の言い伝えに従い、セレブ学校に進学したヒロイン・さくらは、まるで運命のような出会いを果たします。そのお相手は、学園で一目置かれている藤堂隆之。伝説どおりの出会いをしたものだから、出会って間もないのに馴れ馴れしく近づいてくるさくらを、隆之は一蹴。そこから一気に、さくらへのイジメが始まります。首謀者は、隆之の許嫁・奈々華。さくら、隆之、そして奈々華の想いがそれぞれ交錯し、暗く切ない物語が展開されていきます。

隆之にはツンデレの気あり。必要ないのに、運命の相手とかいうワード出しちゃってるしね。
時代設定は現代?しかしストーリー自体は結構古風な設定ですね。20年ぐらい前の少女漫画ならばしっくりきそうな感じ。今の時代にこの設定を持ってくるとしたら、ハチャメチャ設定のコメディに落とすか、女の子の願いを強めに出した゛おとぎ話"に昇華させるかしないと、厳しいんじゃないぁと個人的には思うのですが。それに加え、1巻完結の割りにかなり展開を詰め込んだ印象も。この展開を描くのであれば、1巻では少なすぎる気がする。結果かなり忙しいお話になってしまいました。絵柄的にも、急展開よりかじっくり悲しみや喜びを描き出すほうが、活きるんじゃないでしょうか。同時収録の読みきりは、アッサリ目の設定にもかかわらず、なかなか味わい深い作品に仕上がっていましたし。うーむ、なんとももったいない作品だったな、という印象でした。
【オトコ向け度:☆ 】→男性向けの要素は実に少ない。昼ドラ的なお話が好きな方は。
【私的お薦め度:☆ 】→ベツコミらしさが悪い方向に出てしまった感じ。作者さんの腕云々というよりも、些細なマイナス要素が重なりに重なってしまったというか。同時収録の読みきりは結構面白かったので、次に期待です。
作品DATA■著者:三つ葉優雨
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2009年4月号ふろく)
■全1巻
■価格:400円+税
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