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Tag [新作レビュー] 2009.06.28
sorairokoiiro.jpg市川ショウ「空色恋色」


友達たくさん作って
いろんな学校イベント参加して…
学園生活を謳歌するぞ    ッ!



■今まで転校ばかりだった空は、父親の脱サラを機につい転校地獄から抜け出すことができた。友達作って、イベント参加して、今度こそ学園生活を謳歌してやる!期待に胸膨らませ向かった先は、空色学園の理数クラス。ところがそこにいるのは、男子男子男子…。なんと空の入った理数クラスは、空以外全員男子!しかも変わり者ばかりでなかなか相手にしてもらえない。それでも学園生活を謳歌したい空は、クラスのリーダーと思しき隣の席の陽来を味方につけようとするが…!?

 テーマは理系男子だそうです。理系男子が集う理数クラスに転入したヒロイン・空が、変わり者揃いのクラスメイトを鼓舞してイベントに参加、絆を深めていくというお話。状況的にはハーレムものですが、理系男子は他人にあまり興味がないという設定らしく、恋愛方面に関しては終始陽菜との関係について描かれます。 基本的には明るく楽しい学園コメディ。ヒロインが明るく元気だと、自然と話も明るくなってきますよね。しかし相手の陽菜は、理系男子とかいう枠を越えてイケメンなので、テーマを物語から感じることは少ないかもしれません。


空色恋色
バレンタインは利益だろーが!!


 そもそも理系男子ってなんなの?という疑問が読後湧きました。私の認識は、酒井冬雪さんが連載されているコラム「理系のための恋愛論」に出てくるような男の子だったのですよ。要するにコミュニケーション能力に乏しい、情けない男子なのかな、と。しかしこの作品に出てくる男の子たちは情けなさは皆無。とにかく変わり者で、他人に興味なし、損得で動くってな感じで、「ガリレオ」からエッセンスを取り出してきたという感じですかね。どちらもかなり穿った見方だとは思うのですが、理系だろうと文系だろうと基本的には女性に飢えてると思いますよ、だって男子ですもの。

 理系男子が相手のお話が2本収録されているのですが、どちらも女子からの告白。最近は女の子から告白っていうパターンが少女マンガで増えているとはいえ、ここまでド直球に告白するのは珍しい。理系男子が相手だからこうなのか、はたまた単なる偶然なのか、その辺が少し気になるところ。ただ理系男子に女の子から告白してあげるってのは、良い心構えなんじゃないですかね。理系男子が告白すると、高い確率で「なぜこのタイミングで?」ってパターンが多い気がする。かくいう私は、理系なのか文系なのか良くわからんという学部にいたので、どちらにも属せない辛さみたいなものがあります。


【オトコ向け度:☆☆   】
→楽しい学園コメディ。ただ切なさ方面にもっていくと、途端にクサさが増す傾向が。それに耐えられるかってとこでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→テンポ良くサクサク進むので、読みやすいですし、明るく楽しい話なので読んでいて気持ちいいです。可愛らしい絵柄から、どことなく池山田剛先生っぽい印象が。白泉社的な学園コメディを描かせたら嵌りそう。今後に期待です。


作品DATA
■著者:市川ショウ
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:('08年第24号~'09年第2号)
■全1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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