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2009.07.02
■これは私の勝手なイメージなのですが、少女マンガ読みの男性は大きく2つの種類に分けることができるように思います。それが次の2パターン

①姉や妹などの影響で、幼い頃から少女マンガの世界に触れている男性
②マンガ好きが高じて、少女マンガのフィールドに移ってきた男性


 比率的には①タイプの男性のほうが断然多いんじゃないかと思います。“姉や妹”というのは、そのまま友達や恋人、親などにもスライドできますし、実際私の周りの少女マンガ読みも多くが①タイプ。ちなみに“幼い頃”というワードを用いましたが、あくまで「個々人のマンガ歴における、比較的早い段階」というニュアンスで使っています。

 それぞれのタイプについてですが、①の男性は、自然と少女マンガの作法(=楽しみ方)が身に付いているため、比較的幅広く作品を受け入れることができるイメージ。そういう意味では、女性読者とほとんど変わらないと言ってもいいかもしれません。
 それに対し②タイプの男性は、少女マンガの作法を身につけていないので、特に恋愛特化型の作品で躓くことが多い。また目が肥えている分、ストーリー性の高い作品を好むといった印象。
 
 うーん、かなりざっくりしてるなぁ。もうちょっと上手く言葉にできると思ったんですが、なかなか難しいです。でもイメージはなんとなく伝わりましたかね?そういえば最近、yuyuさんのブログの記事(おすすめ少女漫画ベスト10-【動画】)でこんな動画を知ったのですが…


 


 この方はどちらかというと①タイプじゃないかな、と思います。上位3作は鉄板ですが、下位で『チョコレートコスモス』や『電撃デイジ―』(→レビュー)を挙げられているあたりなんかは特に。
 

自分語りと、このブログの立ち位置
 かく言う私も典型的な①タイプ。妹が買っていた「りぼん」の影響が強いです。少女マンガが好きだったというよりは、少年マンガが苦手だったという感じ。少年マンガ特有のバトル展開がダメで…。戦隊ものも一切ダメなくらい臆病(?)で、当時全盛だった「ドラゴンボール」や「幽遊白書」などを了読したのも、21世紀に入ってからだったりします。「セーラームーン」や「レイアース」などが連載されていた「なかよし」もどちらかというと苦手でしたねぇ。以降集英社系の作品を中心に楽しんでいくことになるのですが、今も集英社びいきなところはあるかもしれません。

「なんでこんな不必要な自分語りを…」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな嗜好を持った管理人がレビューしているんだ、ということを少しでも認識していただければ、という考えから敢えて書いています。このブログの正しい使い方は、管理人の嗜好を意識しつつ自分好みの作品を探すこと、だと個人的に思っていますので、こうしたこともヒントになるであろう、と。

 さて当ブログでは、【オトコ向け度】という男性マンガ読みを意識したコンテンツ(意味違う?)を用意しているわけですが(7月からは仕様を変える予定です)、ここでは主に上記で言う②のタイプの男性を想定してレート付けしています。立ち位置としては、「①の人間が必死に②の立場を想像しながら付けた☆」ということになるのでしょうか。ですから当然決してアテになる指標であるとは言えません。ただ何もしないよかマシじゃないかな、とは思っています。再三になりますが、上手いこと私の好みや着眼点などを利用していただければ、と。


カテゴリ雑記コメント (11)トラックバック(0)TOP▲
コメント

 私の場合、小学生の頃に読んでた『小学○年生』の影響が強かったように思えます。あの雑誌は少年向けと少女向けの両方の漫画が載ってて、小学生時代の少ない小遣いで買ってた身としては、少女向け漫画の方もきっちり毎月読んでたので、それが「少女漫画を楽しむ感性」を養う契機になっていたのではないかと。
 一人っ子だったので、子供の頃は恥ずかしくて少女漫画の単行本をまで買う勇気までは持てませんでしたが、成人した今になって(特に80年代前後の)少女漫画を買いまくってるのは、その頃から鬱積していた「もっと他にもこういう漫画を読みたい」という気持ちの反動なのかもしれません。
From: 闇霧 * 2009/07/02 16:33 * URL * [Edit] *  top↑
 なるほど、一人っ子でもそういったきっかけで読むようになるのですね。姉や妹など、他者とのか関わりだけに限定してしまったのは、良くなかったかもしれません。ただ伝えたいというか、私の中でのイメージで核になっているのは「少女マンガの作法=楽しみ方」が身に付いているかどうかの違いなので、闇霧さんもまごうことなき①側の人間かと。

 私も小さい頃は、読みたい少女マンガを妹に買ってもらっていました(笑)男性が少女マンガを読む契機や背景って、かなり人それぞれで面白いんですよね。今回闇霧さんのお話を聞いて、もうちょっと調べてみたいと思いました。
From: いづき * 2009/07/02 22:36 * URL * [Edit] *  top↑
 自分の場合は1と2の混合型でしょうか。小中学生の頃から、八つ年上の姉が買ってくる女性向け漫画誌(桜沢エリカ先生なんかが連載してた)を普通に読んでました。一人暮らしをはじめてからは自然にそういう漫画から遠ざかったのですが、その後改めてマンガの面白さに目覚め、ジャンルを問わずに様々なマンガに挑戦しているうちに少女漫画にも・・・という具合です。

 ハッキリと「少女漫画は面白い」と感じたのは、緑川ゆき先生の『緋色の椅子』を読んだときですね。

 自分が大人になってから少女漫画を楽しめたのは、小中時代の経験によりある程度「慣れ」ができていたためだと思います。
From: ハセ * 2009/07/06 11:05 * URL * [Edit] *  top↑
 はじめまして。コメントありがとうございます。
 なんの気なしに書いたエントリなんですが、多くの方が反応してくださってるみたいで驚いています。特に少女マンガを読むようになった経緯は本当に人それぞれで、興味深く拝見させてもらっています。

 なるほど、ハセさんの場合1的な素養をお持ちでいながら、アプローチに関しては2的だったのですね。そう考えると、さらに細かく類型していくこともできそうです。この二つは決して相反するものではなくて、1→2への歩み寄りや、2→1へのシフト、また両立ということも充分ありえると思います。あくまで「どっち寄りか」というレベルでのお話と言いますか…。

 『緋色の椅子』は私も大好きです!これに限らず花ゆめレーベルの作品は、男性を少女マンガの世界により一層強く引き込む力があるように感じます。
From: いづき * 2009/07/06 19:55 * URL * [Edit] *  top↑
自分は1とも2ともちょっと違って、
アニメで「きんぎょ注意報」を見たのをきっかけに、
こういうのもあるんだなぁって感じで、
少女マンガに興味を持ち始めて、
他にもいろいろみるようになりましたね。
From: キリナシ * 2009/07/06 21:43 * URL * [Edit] *  top↑
 はじめまして、コメントありがとうございます。

 あー、アニメきっかけというのは盲点でした。そう考えると、多くの子供たちはアニメを通して「少女マンガ的なもの」に触れているんですよね。だとすると、そこ(アニメ)からマンガに移る間に一山あって、その断絶がやがて上記の差異を生んでいくと考えた方が自然なのかもしれません。そのまま自力でマンガに移れる人は登山者で、姉や妹というのは、その山を抜けるトンネルというイメージ…。ってまたわかりにくい例えをorz

 貴重なご意見ありがとうございました!
From: いづき * 2009/07/06 22:04 * URL * [Edit] *  top↑
自分は5つ上の姉の漫画からだったので、1タイプ。
ただ当時姉が主として読んでいたのは「花とゆめ」で、
自分がその中で読んでいたのは「パタリロ」「ピグマリオ」
「ブルーソネット」など、少女漫画という枠からはやや外れた作品が多かった気がします。まあ「ガラスの仮面」も当然読んでましたが(笑
From:  タチバナ * 2009/07/07 01:16 * URL * [Edit] *  top↑
私は分類としては1で、母が持っていた少女マンガを読んでました。てか、それがマンガそのものを読み始めるきっかけでしたね。
やはり世代が違うので、はいからさんが通る等、人昔前の作品が多かったです。
そういった事情で少女マンガ自体には偏見は持っていないのですが、近頃の作品は肌に合わないものが多く、少女マンガは中々増えない今日この頃です。

本当に面白いものは肌に合う合わない関係なく面白いんですけれども、見つけるまでが苦労します。
その点こういう記事等で紹介されていると非常にありがたいですね。
紹介されている作品から何冊か購入しようかとお財布と相談中です。
From: loo * 2009/07/07 05:02 * URL * [Edit] *  top↑
コメントありがとうございます(m。_。)m

>>タチバナさん
「花ゆめ」から入れるなんて、うらやましい。花ゆめに関しては女性の中にもハードルみたいなものがあって、読んだ事無いって人が結構いますよね。少女マンガに触れるということ以上に、濃いマンガの世界に入っていく入り口というイメージが強いです。

「パタリロ」きっかけという人、多いですね。実は男性を少女マンガの世界に引き込んだ一番の立役者は「パタリロ」かもしれません。

>>looさん
 「はいからさんが通る」はアニメしか観たことがないです。一昔前の作品についてはまだまだ勉強中の身でして…。
 世代間のギャップみたいなものは私も感じていて、大御所作家さんの作品であればさほど違和感無く読めるのですが、一枚落ちぐらいのベテラン作家さんの作品には、肌に合わないな…と感じるものもいくつかあったりします。

 参考になるかはわかりませんが、少しでもご活用頂けたら幸いです。ご自分の趣向と、私の趣向を考慮した上でご検討なさると宜しいんじゃないかと思います。
From: いづき * 2009/07/07 07:32 * URL * [Edit] *  top↑
最近は、
③.テレビドラマを見て、原作である少女漫画を読むようになる。
というのも増えていると思います。
「花より男子」「花ざかりの君たちへ」「のだめカンタービレ」なんて、ドラマから入りましたし。
From: Sax * 2009/07/26 19:31 * URL * [Edit] *  top↑
コメントありがとうございます。

そうですね、先のコメントでキリナシさんもアニメの影響について言及されているのですが、今回の雑記ではテレビという媒体の影響を完全に見落としていました。最近は少女マンガのドラマ化・映画化・アニメ化が増えていますし、さらに裾野が広がってくれれば、少女マンガ好きとしては嬉しい限りです。
From: いづき * 2009/07/27 00:02 * URL * [Edit] *  top↑

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