
アンタが俺をこの学校に入れたんだ
俺は…
アンタが自分で望んで作った弱みなんだ
だったら
アンタが俺を護れよ!
■3巻発売しました。
巨大な王国エルドラにある、王立キングスホーク校。この学校は俗に「王様の学校」と呼ばれており、各国の王及び王位継承者は、この学校で王になるための教育を受ける。そんな学園にひとり、異端な存在が…。彼の名前はヤマト。平民の出で、育ての親である祖父に先立たれた彼は、国の援助を受けて教育を受けさせてもらっている。それぞれ割りふられた学校にそれぞれ通うことになるのだが、何故か彼が割り振られたのはキングスホーク校。普通であればまず通えない学校であるものの、この学校の生徒でありエルドラの王でもあるレッドに気に入られ、特例で通えることになったのだ。セレブな生徒達に囲まれて、今日もヤマトは右往左往…
平民の少年が、ひょんなことからセレブな学園に紛れ込んでしまい、右往左往しながらも、彼らと仲を深めていくという、学園物語です。セレブに庶民というのは結構見られがちな設定ですが、こちらはセレブといっても全員王様。それぞれ抱えている事情は異なり、お気楽に毎日を送っているというわけではありません。そんな王様揃いの学園においても一目置かれているのが、この学園のあるエルドラの国王・レッド。自由奔放という言葉がよく似合う彼は、平民であるヤマトに興味を持ち、何かにつけて一緒に過ごすようになります。軸となるのは二人のやりとり。そこを通じて、王様の学校という独特の世界を描き上げていきます。

ヤマトを良く思わない者も当然いるが、あからさまに嫌ってくるというキャラはいない。むしろ周囲と上手くやり、意外なほど溶け込んでいる。
雰囲気自体は悪くないです。この作品独自の空気感というのが出ており、かといってクセがあるわけではないので、読みやすさもあり。しかしながら、どういう方向に持っていきたいのかがよくわからない。コメディなのか、ど真ん中青春群像なのか、はたまた何か大きなストーリーを回したいのか…。どれもこれもパンチ不足で、もうちょっとメリハリを出して欲しいなぁというのが正直なところ。この感じのまま流れるのであれば、キャラにイレ込めない限り読み続けるのはしんどいかもしれません。一つ変われば大きく上向く可能性を秘めていると思うのですが、それだけに余計残念という感じ。
しかしながらアカシアのサンちゃんはかわいいですね。こういうボーッとした感じのキャラは大好き。ただ彼女がいることで逆にこの作品の良い芽を潰しちゃっている気がしなくもない。ヤマトとレッドだけにフォーカスしちゃっても良いと思うんですが、彼女がなまじっか友達として絡んでくるために、青春群像的な作風が混じるという。うーん、難しいなぁ。
【男性へのガイド】
→これがダメって要素はないものの、決して男性向けという感じはしない。サンちゃんに一縷の望みを懸けるか。『ゼロの使い魔』から、女の子たちとのニヤケちゃうようなやりとりを排除した感じとでも言いましょうかね。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→どっちつかずの気持ち悪さ。持ってるポテンシャルはこんなものじゃ無さそうなんですが…。
作品DATA
■著者:夏目ココロ
■出版社:エンターブレイン
■レーベル:B's-LOG COMICS
■掲載誌:B's-LOG(2006年9月号~連載中)
■既刊3巻
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