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2009.07.07
作品紹介はこちら→緑川ゆき「夏目友人帳」


natumeyujintyou.jpg緑川ゆき「夏目友人帳」(8)


慣れないことを
積みかさねて
進んでいく
小さいとしても
一歩ずつ



■気がつけば8巻ですか。
 7巻ではまるまる、的場一門との攻防戦が描かれ、今後に向けて大きく関わってくると思わせる形で終了。さて、8巻ではどんな展開が…!?と思いきや、的場一門は全く出てこず。夏目が藤原家にお世話になることになった経緯や、文化祭参加などの話が描かれ、妖ではなく、人との関わりにフォーカスされた内容となっています。成長記的に見れば良いのかもしれませんが、うーん、これは長期化フラグ?

 夏目の人格形成についてレビューしても良いのですが、それだとまるまるストーリーをあげることになるので、やめておきます。ということで今回は、夏目の友人で、この物語の紅一点・多軌透について少しお話を…


夏目8笑顔が素敵なタキ。
「ごめんね」という台詞も、この笑顔で言われればむちゃくちゃ印象が良い。ちなみに「久しぶりに人と話した」というのは、いじめられてたとかではなく、妖怪に「名前を呼んだ相手が食べられてしまう」という呪いをかけられた事情から。その結果、学校での彼女のイメージは「無口でおしとやか」。密かに憧れている男子もいる模様。

 夏目と同じ学校に通う多軌透(通称タキ)は、ご先祖様が陰陽師のような仕事をしており、陣を描くことで妖怪を見ることができる不思議な能力を持っています。その能力から、すぐに夏目と仲良くなり、よく一緒にいるように。8巻では田沼くんとも友達になり、すっかりレギュラー化。恋愛云々な気配は今のところ全くありませんが、期待したい所。
 
 妖怪を視ることができるという時点で、なんとなく人付き合いが苦手な一風変わった子だというイメージを勝手に作り上げていたのですが(私服も変だし)、実は結構な世話焼きで、かなり「良い子」なんですよね。こんなお姉さんが欲しかった…。


夏目9
出会って間もない少年のために、わざわざクッキーを焼く。買わずに焼くってところが良いですよね。って何より料理(少なくともおかし作り)ができることが意外だった。


夏目7
8巻では動き出しの早さを披露。


 これ以外にもかなり親切さを発揮しているシーンがあります。責任感が強いというのもあるのでしょうが、タイミングの良さがスゴい。夏目が森に迷い込めば、何故かその場所にたまたま居合せ、森の外まで連れて行き、ケガをしていればハンカチで手当てしてくれるし。一緒にいても、いなくても、(役に立つかは別として)絶妙なタイミングで登場するんですよね。登校の時も、夏目の姿を見つけると走って来るんですよ、かわいいじゃないですか。

ここで夏目に一言…なぜ惚れない!?
なんで…なんでなんだよ…

 今後ラブな展開は…あるんだろうか?夏目の心にも成長が見られるので、その可能性はなきにしもあらずですが、案外田沼くんに持ってかれるなんて事もありそう。てかタキの真意はどこに?そういえばタキは、ニャンコ先生が超絶かわいく見えるほど目が悪い(失礼)ので、一般的な普通~イケメンゾーンに属する男性には興味を持たないかもしれません。
 
 あ、これ(→今度はニャンコ先生抱き枕!応募者全員サービス)応募しちゃいました。久々にLaLa買ったんですが、表紙は「会長はメイド様」で、男性にはかなりハードルの高い絵でございました(笑)


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