このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [4コマ] 2009.07.08
07134132.jpg師走冬子「あおいちゃんとヤマトくん」(1)


(あれ…何で私、ヤマトにときめいてるんだろ?)
「あっ!!ヤマトお菓子隠してるでしょ   !!」
「隠してねーよ!!」
「先が思いやられるわねー…」



■5巻発売しました。
 本屋「クローバー」でバイトをしているあおいとヤマトは、同じ大学に通う幼なじみ。狙ったわけでもないのに、大学もバイト先も同じ。そこまで偶然が重なれば、当然お互い意識しあ…うこともなく、ずっと同じ距離感のまま。一応ヤマトにはその気があるみたいだけど、肝心のあおいは色気より食い気。果たしてこの二人の関係に、変化は訪れるの!?

 ラブコメ的な4コマ?本とお菓子が大好きで、色気より食い気な紺野あおい。そしてそんなあおいの面倒を、長い間見続けてきた幼なじみの田代ヤマト。いつまでたっても成長しないあおいが原因なのか、恋が芽生えるなんて気配はナシ。そんな二人の関係に(良い意味で)やきもきしつつ、「クローバー」に集う人達との関わりあいを楽しむというコメディです。一応舞台は本屋さんですが、「暴れん坊本屋さん」的に書店員の仕事をクローズアップするわけではなく、あくまで“枠”として用意しているという感じ。多分バイト先がケーキ屋さんだったとしても、このお話は成り立ったんじゃないでしょうか。

あおいちゃんとヤマトくん
色気より食い気。こんなのはジャブ程度ですけどね。


 舞台背景の重要性が希薄ということは、その分キャラクターの魅力で作品を支えなくてはなりません。メインキャラ二人はもちろんのこと、「クローバー」の店長・長谷川匡と、その妻・香澄の掛け合いも魅力。またヤマトに恋する妹のかえでを配置し、さらに話を動かしていきます。その他にもキャラは登場しますが、総数自体は少なく、少数精鋭。ぶっ飛んだキャラもあまりいないですし、あくまでキャラたちの関係性で魅せるスタイル。パターンにはめている感も強いものの、それで充分もってしまうのだからスゴい。これといった決めてはないですが、4コマの一つのお手本のような存在と言えるのではないでしょうか。


【男性へのガイド】
→スタイル自体は女性的ではありますが、シチュエーション自体は男性に嬉しいって感じでしょうか?オーソドックスな職場もののコメディに、やきもき感たっぷりの恋愛要素をミックス(ただし甘さは控えめ)。こういう作品が好きな男性は、それなりにいるはず。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→上手いと思いますし、個人的には好きなのですが、オススメとなると一歩決め手に欠ける印象。一定の満足感は誰しもが得られるでしょうが、そこから先はその人次第って感じ。


作品DATA
■著者:師走冬子
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2002年7月号~連載中)
■既刊4巻
■価格:各571円+税

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「まんがタイムジャンボ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。