
(あれ…何で私、ヤマトにときめいてるんだろ?)
「あっ!!ヤマトお菓子隠してるでしょ
「隠してねーよ!!」
「先が思いやられるわねー…」
■5巻発売しました。
本屋「クローバー」でバイトをしているあおいとヤマトは、同じ大学に通う幼なじみ。狙ったわけでもないのに、大学もバイト先も同じ。そこまで偶然が重なれば、当然お互い意識しあ…うこともなく、ずっと同じ距離感のまま。一応ヤマトにはその気があるみたいだけど、肝心のあおいは色気より食い気。果たしてこの二人の関係に、変化は訪れるの!?
ラブコメ的な4コマ?本とお菓子が大好きで、色気より食い気な紺野あおい。そしてそんなあおいの面倒を、長い間見続けてきた幼なじみの田代ヤマト。いつまでたっても成長しないあおいが原因なのか、恋が芽生えるなんて気配はナシ。そんな二人の関係に(良い意味で)やきもきしつつ、「クローバー」に集う人達との関わりあいを楽しむというコメディです。一応舞台は本屋さんですが、「暴れん坊本屋さん」的に書店員の仕事をクローズアップするわけではなく、あくまで“枠”として用意しているという感じ。多分バイト先がケーキ屋さんだったとしても、このお話は成り立ったんじゃないでしょうか。

色気より食い気。こんなのはジャブ程度ですけどね。
舞台背景の重要性が希薄ということは、その分キャラクターの魅力で作品を支えなくてはなりません。メインキャラ二人はもちろんのこと、「クローバー」の店長・長谷川匡と、その妻・香澄の掛け合いも魅力。またヤマトに恋する妹のかえでを配置し、さらに話を動かしていきます。その他にもキャラは登場しますが、総数自体は少なく、少数精鋭。ぶっ飛んだキャラもあまりいないですし、あくまでキャラたちの関係性で魅せるスタイル。パターンにはめている感も強いものの、それで充分もってしまうのだからスゴい。これといった決めてはないですが、4コマの一つのお手本のような存在と言えるのではないでしょうか。
【男性へのガイド】
→スタイル自体は女性的ではありますが、シチュエーション自体は男性に嬉しいって感じでしょうか?オーソドックスな職場もののコメディに、やきもき感たっぷりの恋愛要素をミックス(ただし甘さは控えめ)。こういう作品が好きな男性は、それなりにいるはず。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→上手いと思いますし、個人的には好きなのですが、オススメとなると一歩決め手に欠ける印象。一定の満足感は誰しもが得られるでしょうが、そこから先はその人次第って感じ。
作品DATA
■著者:師走冬子
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2002年7月号~連載中)
■既刊4巻
■価格:各571円+税
■購入する→Amazon