このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [4コマ] 2009.07.11
07211779.jpg佐野妙「Smileすいーつ」(1)


「私の夢はね
 果歩が20歳になったら 一緒にお酒を酌み交わす事よ」
「お姉ちゃん…(それって親父の夢なんじゃ…)」



■2巻発売しました。
 OLをしている姉・園原塔子と、高校生の妹・果歩。一緒に暮らす二人は、周囲の人から感心されるほど仲良しの姉妹。酒好きのナイスバディ、だけど中身は親父な塔子は、外ではシャキッとしているけれど、家では果歩に甘えっぱなし。一方の果歩は、料理上手でちょっぴり意固地、もっぱらの悩みは、姉と違って胸がない事。とってもラブラブな姉妹の二人暮らしを、あなたもちょっと覗いてみませんか?

 二人暮らしの仲良し姉妹の毎日を描いた4コマです。外ではバリバリのOLとして働く姉・塔子は、家に帰ると溺愛する妹・果歩に甘えまくり。そんな姉に対する果歩は、「いつものこと」という感じで平然と家事をこなします。ただ肝心な時には、やっぱり姉に頼ります。そういう意味で、パワーバランスは本当に五分五分。そんな2人のやりとりが、とってもとっても微笑ましい作品です。


smileスイーツ
こんな感じの関係。1コマ目と2コマ目で全てが物語られております。


 基本的にはホームコメディになるのかな。ただ家のみで話が展開されるわけではなく、塔子の職場、果歩の学校でもストーリーが展開されます。そこでのテーマは、恋愛がらみっぽいですかね。妹の果歩には付き合いたての彼氏・飯田くんがおり、また塔子は、部下の中津くんから想われているという状況。塔子は親心から、飯田くんと果歩の関係が気になって仕方ない様子。酒好きも相まって、ナイスバディにもかかわらず親父っぽい感じが出ててすごくイイ。ちなみに中津くんは塔子に全く相手にされていません。アプローチを仕掛けるも躱されてしまうというのが定番のパターン。
 
 この作品の魅力といったら、姉妹のやり取りオンリーだと思うんですが。というか、他にあまり魅力を感じない。これだけだとキツい気もしますが、好きな人はもうこれで満足できちゃうのか。私はどちらかというと姉が好きですね。しかしながらこの姉の魅力は妹がいるからこそ出てるのだと思うと、いや実に良い関係だなぁ、と。


【男性へのガイド】
→仲良し姉妹の日常を描いて、きらら路線も視野に…って感じかと思いきや、妹・果歩に彼氏が早くもできたので、そのセンはないのか。“萌え”的な要素はいくらかあると思いますが、“百合”的な要素はほとんどないんじゃないかな(百合詳しくないんで細かいことはわからんのですが…)。それを踏まえた上で、仲良し姉妹の日常を楽しみたいという人は。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→決定打に欠ける感は否めない。カワイイ…けどただそれだけ。ストーリー的な伸びしろに期待するとしたら、中津くんなんですが、期待は薄いかなぁ…。それでも楽しめる人には充分楽しめます。


作品DATA
■著者:佐野妙
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムファミリー(2006年10月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各619円+税

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「まんがタイムファミリー」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。