
強くなってやる
俺は軍学校で強くなる…そして
必ず
闇市場を潰す
■3巻発売しました。
イルゲネス
以上の文は作中からそのまま抜粋しました。そんな「ゲネティック・ソドム」イルゲネスを舞台に、闇市場の壊滅を目指す少年の、軍学校での生活を描いた作品です。原作小説「イルゲネス」は、マンガの世界の13年後が舞台…というよりは、小説で描かれる対闇市場戦に参戦する男たちの背景を描いているので、13年前を描いているという表現のほうが正しいのか。当然原作を読んでいる方が、この作品をより楽しむことができるのでしょう。とはいえどういう話なのかは原作を読まずとも余裕でわかるので、心配はご無用。

軍学校が舞台なので、当然男祭り状態。しかしBL方面にはいきませんよ。
主人公は、フォン・F・リッテンバー。遺伝子工学の権威で“イルゲネスの父”と呼ばれたリッテンバー博士の息子である彼は、その生い立ちから、周りから奇異の目で見られてきました。イルゲネスが人体売買によって莫大な利益を得ていると言っても、あくまでそれは島裏の闇市場での話。一般人からは、当然のことながら良いイメージを持たれていません。ただでさえ目立つ血筋なのに、成績優秀でしかも一般クラスの彼は、特別クラスの面々から目の敵にされます。
フォンが、遺伝子工学ではなく軍学校に進んだのには、とある目的があるから。それが、「闇市場を潰す」こと。遺伝子工学で、闇市場の形成にも少なからず関わったと思われているリッテンバー博士ですが、彼自身闇市場に関しては断固として否定的な立場におり、最終的には闇市場の大物によって殺されたという経緯があります。その現場を13歳の時に目の当たりにしたフォンは、闇市場の壊滅を強く願うようになります。とはいえその討伐のお話は、小説にて書かれるわけで、マンガではあくまでそこまでの軌跡…出会いから結束、そして決意までが描かれる…はず。その舞台となるのが、軍学校。そういった背景はあるものの、スタイル自体は学園モノのソレ。コメディ少なめ、雰囲気自体は若干重厚なものの、その重さが妙に心地よい作品です。
【男性へのガイド】
→女性出ないですけど、いいですか?ただBLっぽさは薄いので、嫌悪感を抱くって人はまずいないはず。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→独特の雰囲気が、売りであり、弱点でもある。個人的には好きですが、万人向けの作品では決してないと思います。
作品DATA
■著者:桑原水菜/石据カチル
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:BLADE COMIC avarus
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(07年11月号~連載中)
■既刊3巻
■価格:各562円+税
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