
天を戴く十二宮ペルソナⅫ
今宵もまた
一つの凶星が流れる時を迎えました
■歌舞伎町No.1ホスト・醍醐小太郎。明るく奔放、けれども女心はしっかり心得ている。そんな彼、実はペルソナ12と呼ばれる超一流の殺し屋集団の1人。表では売れっ子ホストとして生活し、その裏では殺し屋として、占い師・真宮陽介によって与えられる案件をこなしていく。絶対的な因果の流れの中、小太郎の哀しき殺人の数々が始まる…。
殺し屋集団・ペルソナ12の一人である醍醐小太郎の哀しき殺人の数々を描いたお話。12人の~とありますが、描かれるのは小太郎だけ。他の11人に関しては、様々な媒体にて描かれるそうです。秋田書店、エンターブレインでも連載してるみたいです。さて話ですが、様々な背景を抱えた犯罪者・被害者と小太郎が出会い、最終的に彼が殺人という形で決着を付けていくという流れ。ただそれだけでは話が単調になってしまうので、彼自身の生い立ちや、周囲の人物にも物語をつけて、作品を彩ります。

小太郎編でのキーパーソンになると思しき、世話役の透。この作品が物語としてどう昇華するかは、おそらく彼に懸かっている。
「これ単純に、正義を振りかざす勧善懲悪的なヒーローものなの?」と思い、公式ホームページを見てみたのですが、「法で裁けぬ悪に、法に依らぬ罰を」というフレーズが使われているので、どうやらそういった見識で良さそうですね。殺し屋達は多少なりとも後ろめたさみたいなものは感じているようですが、結局のところ自分は正しいと思ってるのかな。「Death Note」や「恨み屋本舗」「地獄少女」などが出た後に、こういう話を見ると、どうにも短絡的で浅はかに見えてしまうのですが、どうでしょう。人間ドラマ的な部分で味付けし、カバーしてくるのはいいんですが、根幹がこれだと厳しい気もします。また「法で裁けぬ悪」とありますが、小太郎編を見る限り、法で裁けるんじゃない?という案件がチラホラ。また「法に依らぬ罰を」とありますが、結局全部殺しに持ってちゃうんじゃなぁ、とね。
ってなんだかダメ出しばかりになってしまいましたが、これはこの作品を、他の作品と比較したからであって、単純にこの作品の出来だけ見るならば、設定なりに上手く事を運んでおり、原点要素はこれといって見当たりません。絵自体もキレイで見やすいですし、個々の話も読みやすいです。あとHP見て驚いたんですが、声優陣がとっても豪華ですね。売れっ子男性声優が一堂に会しております。そんな詳しくない私でも、ほとんど知ってた。
【男性へのガイド】
→形態自体は、哀しきヒーローもののソレ。表紙やホームページから受ける印象と違って、意外にも読みやすいかも。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→これ単体で考えるなら特にマイナスはないものの、トレンドなどを考えるとどうなの?と。
作品DATA
■著者:高橋燎央/Founder masaki
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:BLADE COMICS avarus
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(09年2月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:571円+税
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