
どうして好きな男がいるのに
違う男に
魅かれる自分を
止められないんだろう
■銀座歴3年、まだまだ半人前のホステスの寧々は、かつて伝説のホステスと呼ばれた亡き母に追いつくため、毎日奮闘中。しかし、なかなか結果がついてこない。そんなある日、街中で突然一人の男に声をかけられる。その男には初めて会ったはずなのに、何故か既視感を覚えた。結局電話番号だけ手わたされ、その場を離れたものの、いつまでも頭から離れない。その出会いが、やがて二人を翻弄する運命の出会いであるとは、その時はまだ気づいてもみないのだった…
伝説のホステスと呼ばれた亡き母とは違い、なかなかホステスとして芽が出ないヒロイン・寧々。そんな彼女には、想いを寄せる一人の男性が。その相手とは、母の恋人で一流俳優の太賀龍一。好きというよりも、憧れに誓い想いを抱きつつ、亡き母の背中を追いかけ続けている。そんな彼女に街中で声をかけたのが、太賀龍一の息子・南央。初めて出会ったその時から、惹かれあっていく二人。好きな人がいるのに、どうしよう…そんな気持ちを抱えながらいたある日、龍一と南央が親子だということを知り、さらに混乱していく…という流れ。帯には「好きな男と惹かれる男、それは親子だったーーー。」とあるのですが、その言葉から受けるほどドロドロした空気はないです。その要因はいくつかあるのですが、ヒロイン・寧々がやけに子供っぽいことと、龍一と寧々の関係が、男女というよりもむしろ親子のような関係性を見せているところが大きいんじゃないかな、と。

恋愛経験に乏しいからなのかわからないが、やけに男性との距離感が近い寧々。
結局このお話で一番振り回されているのは、南央でしょう。食えない父に、勝手な寧々。彼自身、素直じゃないのもいけないんですが、他の二人がさらに上を行くっていうね。結局男ふたりでの取り合いになるんでしょうか?とはいえ最終的にどっちを選ぶかなんてのは、明々白々。あとはそこに辿り着くまでに、どれだけ盛り上がりを見せられるかって所。そのための材料かは知りませんが、1巻ではセックスに至りません。というかこのヒロイン、もしかして処女?うーん北川先生でおあずけ展開ってのはなぁ…意外というかなんというか。
しかしながらこのヒロイン、フラフラし過ぎだと思うんですが。好きな人と、気になる人の間で揺れるのはいいんですが、ちょっと行動が短絡的すぎないか?しかも相手本位ではなく、あくまで自分本位ってところが、子供っぽいというか、やけにイライラさせる。正直イイ男二人が、このヒロインに惹かれる理由が全く見当たらないんですが、そこは母親の血のなせる業ってことでいいの?…と男心に思ったのでした。
【男性へのガイド】
→男性向けの感はほぼナシ。そういうのは完成度の高さでカバーできるのですが、今作に関してはそれをカバーできるだけの水準にないような気がします。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→ヒロインに対する個人的な感想は置いておいて、序盤の展開が、「え、北川先生ってこんなに雑だったけ?」と思うぐらいチグハグな展開。とはいえ後半でストーリー自体は持ち直している感はあるので、結局落とすべきところにしっかり持っていくのでしょう。
作品DATA
■著者:北川みゆき
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックスα
■掲載誌:プチコミック(2009年3月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
■購入する→Amazon