高屋奈月「星は歌う」
ただもう一度 君に会いたい
どうしたって
どうしたって
惹かれる■4巻発売しました。
ヒロイン・椎名サクヤは、従兄弟の奏と二人暮らしをしている高校生。“ホカン”こと星空観賞同好会の会長で、会員のユーリとせーちゃんとはいつも仲良し。そんなサクヤの誕生日、家に帰ってみるとそこにはチヒロという見知らぬ男の子が。結局正体のわからなかったその男の子に、不思議と惹かれたサクヤ。もう一度会いたい、そう願っていたサクヤは、ホカンの帰り道に再びチヒロに出会う。しかしチヒロは、冷たい言葉だけを残して再び去ってしまう。自分の恋心に気づき、同時にチヒロの言葉にショックをうけるサクヤ。それでもなんとか立ち直ろうとするが、なんと学校でチヒロに再会する
。
親代わりの奏は、陶芸をやっているものの、仕事と呼べるほどのことはしておらず、家計の柱になっているのはバイトをするサクヤ。そんな奏を悪く言う近所の人間もいるのだが、サクヤ本人はむしろこの生活を望んだものと考えている。そんなサクヤと仲が良いのが美人だが腹黒いせーちゃんと、チビで活発な男の子・ユーリ。ユーリはサクヤのことが好きなのだがヘタレでなかなか思うようにいかない。そんなユーリをからかって楽しむせーちゃん。そしてそこに謎の男の子・チヒロを加えて物語は進行していく。
1巻をまるまる導入として使い、物語は2巻以降ゆっくりと動き出します。登場人物それぞれが、謎というより陰をもっており、物語の進行と共に徐々に明らかに。1巻時点では「ん?」と思ったのですが、なんだかんだでしっかり描いてきますね。この独特の暗さみたいなものは高屋奈月さんならではというか。自分がしんどいときに読むと結構クるものがあります(いろいろな意味で)。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】→「フルーツバスケット」が好きだった方はどうぞ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】→1巻をまるまる導入として使ったわけですが、その部分のヒキがいまひとつ弱いというか。巻を重ねるごとに面白くなってくるのですが、そこまで我慢して読んでる大半は、元々高屋ファン(「フルバ」ファン)だった人なんじゃなかろーか。「2巻以降面白くなるよ」と薦めるのも手だとは思うのですが、それならむしろ「フルバ読みなよ」と言ってあげたい。
作品DATA■著者:高屋奈月 作者ブログ→「
猫とネズミと星と月」
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ(平成19年13号~連載中)
■既刊4巻
■
Amazonで購入する