
案外、この世界も
悪いもんじゃないって
りん、
君は知っているかい
■第二部スタート。本日5巻発売です。
30歳の独身男・大吉。祖父が亡くなり、葬儀に駆けつけると、そこには見知らぬ子供がひとり。6歳で、名前はりん。なんでも祖父の隠し子で、身内にはまったく知らせていなかったのだという。しかも母親は不明。そんなりんに、祖父似の大吉はなつかれる。そんな中、親戚一同がりんをどうするか話しはじめる。そして、気がつけば押し付けあいに。そんな親戚たちをみて、大吉は思わず「りんをひきとる」と言ってしまう。その日から、大吉とりんのちぐはぐな毎日が始まった…。
30歳の独身男・ダイキチが、祖父の隠し子・りんをひきとり、悪戦苦闘しながら子育てをするお話。第一部は幼稚園から小学校低学年までで、主に子育ての大変さ、楽しさをメインに据えた内容。仕事と子育ての両立、りんの母親の問題、そして母子家庭の二谷親子との出会い。りんの成長を通して、自分も学び、成長していく…。
そして、時は流れ、あれから10年。りんは高校生1年生に、ダイキチは40歳に。第二部のスタートです。
ふたりの出会いから10年、りんが高校生になったところまで一気に話が飛びます。第二部ではりんと、幼なじみのコウキの学生生活&恋愛模様が一応のメインに。そういう意味で第一部とはだいぶ毛色が異なっている印象。第一部の時点でいくつか選択肢があったわけですが、ほう、こう来ますか。
とはいえ、一番多感になる小学校高学年~中学時代を飛ばすってのはどうなのだろう。その頃が一番、抱えてるモンダイが噴出する時期なんじゃないの?どう描くか楽しみだったのに…なんて考えていたら、本人たちも選択肢が複数あったことは自覚しており、物語内で多少なり言及。さらに最後には、回顧録のような形で飛ばした部分を振り返る。5巻では二谷母とダイキチの関係について触れられているのですが、なるほど、こうやってひとつひとつピックアップして潰していくのか。なんとなく感じ始めていたマンネリズムを吹き飛ばす手法(言い過ぎ?)。りんとコウキのこと、りんと母親のこと…まだまだ描かれていないことは多い。先々が楽しみになってきました。
【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→この話はむしろ男性のほうがハマるのでは?作者は男性誌での連載も経験していますし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→長文になったのはそれだけ思い入れがあるからなんですが…。とにかくおすすめです。ぜひ一度手に取ってみてください。
作品DATA
■著者:宇仁田ゆみ 作者サイト→「ウニタコウボウ」
■出版社:祥伝社
■レーベル:FEELコミックス
■掲載誌:フィール・ヤング(2005年10月号~連載中)
■既刊5巻
■「このマンガがすごい!2008
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