
あたしに
えらそーに命令してないで
犯人捕まえろよヘボ刑事!!
■ついこの間まで女子高生をしていた立夏は、なりたてホヤホヤの婦人警官。スカートはミニ、胸元はバッチリ開け、白のヒモパンをトレードマークに今日も元気にパトロール中!そんなある日、公衆トイレでレイプされ、呆然としている少女を発見。絶対に犯人を逮捕してみせる!しかし刑事課の高屋と樹、性格はまるで正反対のイケメン刑事二人はつれない反応。その反応に憤慨した立夏は、単独でおとり捜査をしようとするが…!?
表紙だと歳上のセクシーお姉さんに見えますが、19歳です、ついでに処女です。ひよっこ婦人警官・立夏の奮闘と、イケメン達との恋愛模様を描いたストーリー。ヒロインの立夏ですが、こんな格好をしているにもかかわらず、先に書いたように処女だったりします。というのも、その一本気な勇ましさばかりが強く出てしまい、「男女」なんて言われる始末。告白されるどころか、恋愛だってしたことがありません。タイトルからだと、刑事のお仕事がメインで描かれてるようなイメージをしてしまいますが、ウェイトでいえば、仕事と恋愛50:50ぐらいかな。といっても仕事しながらの恋愛なので、明確な線引きがあるわけではありませんけど。

状況証拠が揃っていなくとも、感情で思わず容疑者に掴み掛かってしまうような若さと熱さを持っている。これが強みでもあり、弱みでもある。この才能を生かすも殺すも、刑事課のお二人に懸かっていると思うのですが、どうでしょう?
各話で一つ一つの案件を扱うのではなく、一つの案件を長ーく引っぱります。とりあえず勢いがあるのですが、なんだか読んでてとってもイライラするのです(ヒロインに対して)。で、その要因を考えてみたのですが、多分ヒロインの仕事のできなさにあるんじゃないのかな、と。正義感に燃え、正しいと思ったら何も考えずに突っ走ってしまう…そういうキャラ自体がそもそも苦手なのですが、刑事ものには結構そういう人多いですし、というかほとんどそうですし。馴れ合おうとしない刑事や、形にとらわれない刑事なんてのも結構いますし。けれどそういうキャラ達は、確実に成果を上げているんですよね。でも立夏は何も成果を挙げていない。制服着崩したり、慣例に倣わないでもOKでいられるのには、それなりの理由があるはずなんですが、彼女の場合それがない。だからこそそこに違和感を感じ、イライラに繋がっていってるのかな、と。そもそも交通課で「コスプレ刑事」ってのはどうなんでしょ。
とはいえ新人ですからね、上がしっかり指導してあげれば良いんですよ…ってこの作品、指導できる人いねぇ!!教育係の上司は気が弱くて前々頼りになりませんし、先に出てきた刑事課の二人も、立夏にメロメロになりつつあり、指導するどころか擁護する始末。そもそも立夏に、どうしてこれほどまでに男どもは惹かれているんでしょうか。その理由があまり見当たらないため、「ガードが甘くて正義感が強い、ナイスバディの年下の女の子」に、(本能的に)男として涎を垂らしているようにしか見えないというか。それでも良いんですけど、揃ってそれでは、ちょっと頭悪く見えちゃいますよ?これじゃあ立夏の成長は難しそうですね…前途多難だ。
【男性へのガイド】
→刑事ものではない。ハーレムものである。この認識でOKだと思います。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→恋愛面での、あからさまなまでのご都合展開はいかがなものか。もっとヒロインの魅力を裏打ちするようなエピソードを用意して欲しかった。だとしたら1案件を引っぱるのではなく、1話1案件の方が良かったのでは?テンポ自体はいいので、そうしたほうがスピード感も活きると思いますし。
作品DATA
■著者:堂本奈央
■出版社:小学館
■レーベル:Cheese!フラワーコミックス
■掲載誌:Cheese!(2009年4月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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