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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.07.25
07224723.jpg田島みみ「君じゃなきゃダメなんだ。」(1)


もう誰もいない
お兄さんしかいない   ……



■唯一の肉親が亡くなり、高1にして天涯孤独の身となってしまった菜花。しかし祖父の死に際に、実は腹違いの兄がいることを知らされる。独り身になった菜花に対して、アパートの大家さんは情けもかけてくれない。どこも頼るあてのない菜花は、祖父の言葉を信じて、その兄がいるという家に訪れてみた。そこにいたのは、蒼と紅という、二人の年上の男の子。母親と父親が再婚同士で、お互いの連れ子である彼らは、血の繋がらない同い年の兄弟なのだという。このどちらかが、菜花の兄   。無理は承知の上で、「どちらが本当の兄かわかるまで、家に置いてもらえないでしょうか」と頼んでみると、返事は意外にもOK。その日から、3人の奇妙な生活が始まった…!!

 「学校のお時間」の田島みみ先生の新作です。前作が結構な長期連載だったので、次の連載まで結構間が空くかと思っていたのですが、意外と早くあげてきましたね、驚きです。今回のお話は、兄弟もの・家族もの。本当の兄を探すため、兄候補二人と同居生活をするというものです。ちなみに二人(蒼・紅)の両親は海外に行っており、不在。両親に確認しようにも、すぐには連絡がつかないということで、渋々菜花を受け入れるというながれでございます。二人の兄は、正反対のタイプ。メガネをかけている蒼は、非常にクールで、彼女を切らしたことがないモテっぷり。一方の紅は、やや熱血漢なところがあり、幼なじみの女の子から怒濤の求愛を受けているという状態。性格自体は正反対な二人ですが、菜花の押し掛けに対してはお互いと惑い気味。とはいえ、いきなり妹を名乗る人物が押し掛けてきて、そのまま居座るなんて、どう見てもエロゲです、本t(ry


君じゃなきゃダメなんだ。
「カワイイは正義!!」なんてフレーズがありますが、良く出来た言葉ですよね。かわいくなかったらぶっ飛ばしものですよ、菜花のいくつかの行いは。


 ところがこれ、1巻の終わりには早くも兄が判明。もうネタバレしてしまいますが、蒼が兄です。実は蒼と菜花は過去に一度だけ会っており、蒼はそのことを覚えていました。とうぜん「ラブ」に近い感覚で覚えていたわけですが、父親をとっていった女の子供だと考えると、なかなかに複雑。また全く血の繋がりがないことが判明する紅は、女の子として菜花を強く意識するようになっていきます。まぁ設定からしてもお約束の展開ですよね~。ただ菜花本人はというと、二人のことを男というよりも兄として強く認識しており、恋愛に発展していくには時間がかかりそう。
 
 とりあえず気になるのが、表紙なんですよ。メインキャラは3人のはずなのに、表紙は蒼と菜花のツーショット。ちなみに裏表紙はメガネ。もうこれあからさまなまでにフラグでしょ。二人から想いを伝えられて…でも、でも、どっちも大切だから選べないよ~(><)っていう展開かと思ってたのですが、そうはならないのかな?兄判明までもえらい早かったですし、下手しなくとも早めに完結するのかも…。もしくは早めに二人をくっつけて、「僕は妹に恋をする」みたいな回し方をするのか。先は読めませんが、なかなか面白い話になってますよ、導入は白泉社ばりに強引ですけど。


【男性へのガイド】
→妹に萌えるマンガ。この認識でも十分大丈夫な作品。恋愛色が強くなるであろう2巻以降は知りませんけど。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→導入の強引さに戸惑い、短期決着の予感に一抹の不安を覚えつつも、オススメで。なんだかんだで面白かったですし、続きを読みたくさせてくれました。田島先生ですし、ちゃんとまとめてくれるでしょう。


作品DATA
■著者:田島みみ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット(平成21年No.4~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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コメント

このマンガ超面白いよv-238
あたしは今の所全巻そろってます!!
絵も可愛いしでもちょっとまわりくどいとこあるからあきそうになるかも・・・
でもそんなとこも大好きです!!
ぜひぜひ読んでみてくださいv-266
すっごいオススメですv-218
From: ピよこ * 2012/03/05 15:56 * URL * [Edit] *  top↑

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