
もしもあなたの愛する人が
殺人鬼だと知ったら…
あなたは愛する人を殺せる?
それとも…
殺されるのを待つ?
■4巻~人形~発売しました。
シリーズ物ですので、とりあえず1巻のサブタイトルになっている「蘇る殺人鬼」のあらましをご紹介しましょう。ある心理テストから、殺人鬼の素養があると診断された、聖美の彼氏・三輝。天然&軟弱で腕もか細い彼と、殺人鬼とは、全くイメージが結びつかない。しかしその日をきっかけに、聖美の周りでは不可解な出来事が次々と起こり始める…
巷にあふれる都市伝説を題材に、オリジナルストーリーを展開していくというホラーシリーズ。気がつけば4巻まで来ましたか。ちなみに上の“ある心理テスト”というのは、
あるところにお父さん、お母さん、子供の三人家族がいました。
しかしある日、お父さんが交通事故で亡くなってしまいました。
それからお父さんの葬式が行われました。
葬式にはお父さんの会社の同僚もやってきました。
そこでお母さんは不謹慎にもその同僚に一目ぼれしてしまいます。
しばらくして、お母さんは子供を殺してしまいます。
なぜお母さんは子供を殺してしまったのでしょう?
しかしある日、お父さんが交通事故で亡くなってしまいました。
それからお父さんの葬式が行われました。
葬式にはお父さんの会社の同僚もやってきました。
そこでお母さんは不謹慎にもその同僚に一目ぼれしてしまいます。
しばらくして、お母さんは子供を殺してしまいます。
なぜお母さんは子供を殺してしまったのでしょう?
というもの。このテスト、一般的な感覚を持つ人であれば、「子供が邪魔になったから」と答える所を、殺人鬼の素養を持つ人は「もう一度お葬式を開けば、その人にまた会えるから」と答えるそうです。これ自体は、やりすぎコージーの芸人都市伝説のコーナーや、ハローバイバイ関暁夫の都市伝説本などで取りあげられて、かなり有名ですね。そうした知名度の高い都市伝説を足がかりに、オリジナルのストーリーを展開させます。

1巻「蘇る殺人鬼」では、恋人が殺人鬼の系譜を受け継ぐ者で、誕生日と共にその資質が発動してしまうという設定。
都市伝説をまるまる使うなんて野暮なことはしません。都市伝説なんてのは、ほんのきっかけに過ぎず、あくまでそれ以降のオリジナルの部分で勝負。結末がわからないからこそ、怖くなる…と思うんですが、実際はどうなんですか?ただ「呪怨」とかは何度観ても怖いですよね、うん。
ホラーというジャンル分けですが、思わず叫びだしてしまうような怖さではなく、ゾワーッとさせるような怖さがメイン。ストーリー性重視というか。もちろんグロテスクなシーンも描かれますが、あくまで控えめで、むやみやたらに恐怖心を煽るような方向には持っていきません。そういう恐怖を描くことの難しさもあるのでしょうが、ストーリー重視にすることで、自在性と出すことに成功しているように思います。一人で読んでいて「怖っ!!」とはならないですが、みんなで話題を共有して怖がることは出来る水準。というか、都市伝説なんて語り合ってナンボのものでしょうから、そういう意味では確実に成功。
【男性へのガイド】
→絵自体が少女漫画なので、ホラー期待で読むともの足りないかも。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→どの巻から読んでもOKという取りつきやすさと、ストーリーを大事にしようという姿勢が好き。そんなに怖くはないですけど、良く描けてると思います。
作品DATA
■著者:亜月亮
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット(平成20年No.12~連載中)
■既刊4巻
■購入する→Amazon