
もっとこっちを見てほしい
あたしの気持ちに
気づいてほしいんだ
■読切り4編を収録。では、表題作をご紹介します。
ここは『Make Sweet』。英文系の女子クラス・2-9の友達同士で作った、お菓子作りクラブ。そんな女子だらけのクラブに、ある日一人の男の子がやってきた。男女クラスで一つ学年が下の、赤川宗志くん。男の子が苦手な雪緒は、副部長だからと彼の教育係に任命されてしまう。「コワい…どう接すれば…」最初は戸惑ってばかりいた雪緒だったけど、彼の一生懸命さと、不意に見せる優しさに触れ、だんだん話せるように。そして気がつけば…
まみや綸先生のデビュー作。片恋をテーマにした読切り4編が収録されています。一言でこの作品のイメージを伝えるなら、とにかく「甘い」ですかね。タイトル通り、sweetな内容になってます。表紙は白を基調として、どちらかというと落ち着き気味。いや、甘いんだろうってことは伝わってくるんですが、切なさミックスだと思ったわけですよ。けどね、切なさは控えめ。とにかく甘い甘い。とはいえありがちなバカっぽいヒロインじゃないので、読んでいて不快感がするってことありません。

なんていうか、かわいいですよね。うん、かわいい。甘さを生み出しているのは、男の子だけじゃなく、ヒロインも。
絵柄が可愛らしいです。なんとなく小畑友紀っぽいですかね。話も等身大の恋心を描こうというスタンスで、派手な設定はしてきません。そのへんは実に好印象です、そういうの大好きな口なんで。ただ少女マンガ慣れした私でも、思わず笑ってしまうような甘い展開が…。いやね、ひとつ一つの要素だけならそこまで甘いってわけではないんですが、それが連続してきちゃうともう、と。言うなれば、「コース料理で出てくる料理が全部スイーツ」みたいな。甘い話を展開させるときは、切ない出来事なり、不快な出来事を途中に持ってきてバランスをとるのですが、この作品の場合それが少し弱い気がしました。ただそれが一つの「売り」になりそうな気もするので、一概にどうだとは言えないんですが。まだデビュー間もないですから、試行錯誤を繰り返している段階。今後どういうお話を描いていくのか、注目してみたいと思います。
【男性へのガイド】
→この甘さに耐えられる男性はいるのだろうか。ヒロインはみんなカワイイですけど。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→全体的な雰囲気には惹かれるものがあります。最後に収録されていたお話は甘さ控えめ(それでも標準ぐらいだけど)で、そういう話も描けるのかと感心。今後への期待を込めての3つで。
作品DATA
■著者:まみや綸
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット(平成18年No.7,No.12,No.16)ザマーガレット(平成19年7月号)
■全1巻
■価格:400円+税
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