
「家庭科部?」
「ふふふ…
かつてはそう呼ばれていた部もありました…」
■ユルく、正しく、美しく!家庭科部改め、家庭的部は、家庭的な女子…ではなく、家庭的な女子になるのを夢見る女子達が集う、ユル~い部活。部員はギリギリの5人で、うち家庭的なことが得意なのは、2人だけ。ついには部費の支給までもがストップする始末。でもみんな、めげない、しょげない、気にしない!変わり者揃いの家庭的部は、今日も家庭的な女性を目指してがんばります!
家庭的な女性を目指す女子達の集まり「家庭的部」のユルい日常を描いた4コマ作品です。ちなみに舞台は中学校ですよ。最初登場人物と設定を見たときは、「きららじゃないの?」と思たのですが、なるほど、読み進めていくとなんとなくその辺がわかってきます。一応作者さんは萌えを目指しているらしいのですが、萌えではなく、萌えに近いファミリー路線という感じですかね。このことについてはあとがきにも書いてありますね。
基本的にユルいです。部員全員が家庭的な女性を目指しているわけではなく、一部は居心地の良い空間として部活を利用している生徒もいたりします。肝心の家庭的な子たちも、そろいも揃って頼りにならない&どこか抜けているという感じで、どうにも前に進んでいきません。そもそも大会などの目標がない部活なので、前に進まないことが逆に良いとも言えますけど。

放課後ティータイム。2コマに部員全員が揃うという奇跡の一コマ…もとい、二コマ。いや、実際は結構あります。直前に「となりのなにげさん」(→レビュー)を読んだせいか、やけに1コマ1コマ描きこんでいるな、という印象が。
とっても楽しい作品なのですが、全体的にインパクトに欠けるなぁ、と。最初は雰囲気のユルさから来ているのかなと思ったものの、それ以外にも要因があるのかも。この作品、主役がいないんだ。部員全員が主役とも言えますが、その分視点がばらけてしまい、1巻だけだとどうにも薄味感が残ってしまったような気がします。登場数的には唯一の黒髪であるみずきがヒロインなのでしょうが、彼女の立ち位置が未だに定まっていない感が。一番の個性派・ホコはなぜかマスコット的な存在になり、個人的に好きなハナエをメインに据えると、途端に気だるさがMAXに。ボーイッシュなアミは主役って柄じゃないでしょうし、部長は頼りないしなぁ…。ここは生徒会長を家庭的部に持ってきて…いや、それはないか。多分イニシアチブを取れる生徒がいないからアカンのだろうなぁ。でもユルい部活って得てしてこういう感じなので、その辺は実にリアルなのかもしれないですね。
比較しちゃいけないんでしょうが、同じ女子中学生で、部活ではないけれど恋愛をテーマに送る「恋愛ラボ」(→レビュー)は、その辺実にしっかりしているなぁ、と感心。夏緒という暴走キャラがいて、恋愛がしっかりテーマとして機能している。こちらももっと部活の色を出していけば良いものの、いかんせん明確な目標がない以上、どうすることもできないという。いっそ恋でもさせてみてはいかがでしょうか?でも根本がそもそも違うのかなぁ。それに「それが魅力だ」と言われたらそれでお終いなわけで。
【男性へのガイド】
→余裕でOK。ただし萌えへの期待はほどほどに。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→使い方次第でもっと良くなりそうなんだけどなぁ。一応2巻も買うつもりです…って結構ハマってるのか?あと全然関係ないですが、タイトルから競走馬のドリームカムカム号をふと思い出しました。
作品DATA
■著者:かたぎりあつこ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(平成17年9月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:619円+税
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