
ぼくは理系の学生
研究漬けの毎日に
何故か彼女が出来ました
■理系の院生で、研究漬けの毎日を送る森くん(通称もりそば)。そんな彼に、ある日突然彼女ができる。彼女の名前はゆりちゃん。ゴスロリスタイルで、声優の養成所に通い、お弁当屋さんでバイトをしている永遠の17歳(つまるところ年齢不詳)。道で偶然彼女にぶつかり、言われるがままされるがままに、彼女になられてしまったのだ。妄想力豊かな理系男子の森くんは、そんなゆりちゃんにメロメロ。今日も研究の合間を縫って、彼女との距離を縮めようと奮闘中!?
同じ作者さんの「たまのこしかけ」(→レビュー)が結構気に入ったので、期待して読みはじめたのですが、コレはヒドい…でも、これは素敵。今日確信しました、私は荻野眞弓の作品が問答無用で好きなんだということに。というわけで、「白衣とリボン」のご紹介です。タイトルに白衣とあったので、てっきり病院が舞台なのかと思いきや、白衣は白衣でも研究者のほうの白衣でした。主人公は、理系院生の森くん。女性とは縁遠い、穿った像のたてられつつある理系男子の典型を行くような男の子です。そんな彼に、突然彼女が出来、右往左往するというお話。しかも彼女というのが、ロリータファッションに身を包む、声優志望の少し変わった女の子。なんだかとっても変わったカップリングの二人が繰り広げる、おのろけチックなラブコメ4コマとなっております。

開始3ネタ目でまさかの超展開。だがそれがいい。
とりあえず、誰が得するんだろう、この作品。特に主人公の森くんがヒドい。作者さんのあとがきだと、実際にモデルがいるらしいのですが、コレは怒っても良いレベルだと思いますよ。まず当然ながら童貞で、手を握るどころか、それ以前の妄想の時点で息子が起立してしまうという状態。お前は中学生か!さらに声優オタクで、意志が弱く、高所恐怖症と、非常に頼りない男で、肝心の優しさも、ゆりちゃんにはなかなか出せずにいるという始末。どうしてこの男に彼女がいるんだ?という疑問に狩られるわけですが、ゆりちゃんは白衣萌えでかつ彼のことは前から気になっていた(偶然ぶつかったというのも、彼女の仕掛けた演出だったりする)という設定があり、一応理想の相手らしいですよ。お互いニーズが一致していれば、カップルは成立するわけで、またお互い幸せだったら、もう誰も口出ししちゃいけないわけで、ある意味では究極のカップルなのかも。でも少しくらいは惹かれる要素を出していただきたいものでございます。
一応テーマは理系男子となっているのですが、これは理系男子舐められすぎな気が。あとがきを見るに、荻原先生の旦那さんが研究者で、東大の方っぽいのですが、東大の院って実際こんな感じなの?いや私も理系出身なので、理系男子の悲哀みたいなものはよーくわかるのですが、ここまではさすがに。日本最高学府ともなるとケタが違うのでしょうか。せめて、せめてもうちょっと森くんのかっこよさを出してあげてください。
【男性へのガイド】
→どういった層が狙い目なのかもわからんです。男性でも余裕でOKだと思いますけど。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→だから荻野作品が好きなんだってば。しかしながらさすがにこれはオススメは出来ないです。アホっぽくて楽しいですけどね。
作品DATA
■著者:荻野眞弓
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(H18年9月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:619円+税
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