
弟がやらかした不始末
兄なら
弟の代わりに責任とってもらおうじゃないの
■3巻発売しました。
野々宮花は、アイドルユニット「TRUE」のメンバー・相葉翔太の大ファン。寝ても覚めてもショータ、ショータ。そんなある日、同じクラスで「地味、キモイ」と疎まれている田中正樹が、実はショータと瓜二つであることに気がつく。ショータと同じ顔なら仲良くしないワケにはいかない!と、嫌がる正樹にしつこくつきまとう花。そんな帰り道、なぜかTRUEのマネージャーが二人の前に現れる。そして言われるがままどこかへ連れて行かれると、そこにはショータの姿が!?
実はショータと正樹は双子で、ちょっとしたスキャンダルに巻き込まれそうになり、ケガをしてしまったショータの代わりに、正樹がTRUEで活動をして欲しいという要請が。最初は嫌がった正樹だったものの、マネージャーの脅しに屈し、渋々承諾。その後ずるずると、ショータとしての活動を続けることになります。要するに入れ替わりのお話なんですが、ヒロインが全くの部外者であるというところがポイント。芸能界に縁もゆかりもなく、正樹ともさほど親しいわけではないのに、どういうわけか彼らと行動を共にするようになります。その辺が実にユルいのですが、少女マンガの芸能界ものってこういう作品多いですよね。ただこれがデザート連載ってのが気になるのですが。

双子だが性格は似ていない。10歳の時に両親が離婚して、別々に暮らしているため。
恋愛方面に絞って言えば、ショータの姿を正樹に見出し、つきまとっていた花が、正樹の代わりとして懸命に活動する彼の姿を見て、段々と正樹自身を見つめるようになっていくという流れ。ちょっといただけない展開ですが、一応オンリーワン追求のお話だと思われ、受ける印象は思いの外爽やか。全体的に甘めユルめないいかげん設定の芸能ものということですが、その「粗」を補うように、非常にテンポ良く物語が展開され、読者をしっかりキープ。こういう設定だからこそ、これだけ小気味良い展開に持っていけるのだと考えれば、これはなかなか良く出来た作品なのかもしれないですね。
【男性へのガイド】
→このいい加減さは逆に男性にも読みやすいかもしれないですね。ただ読み応えには欠けるので、オススメするまでには至りませんが。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→この展開のスピーディーさは評価して良い点だと思います。ただそれ故に名作・秀作にはなり得ないんだよなぁ。あくまで設定なりに良く出来ている、というだけで。
作品DATA
■著者:三浦実子
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:ザデザート(平成19年9月号~連載中)
■既刊3巻
■購入する→Amazon