作品紹介はこちら→葉月かなえ「好きっていいなよ。」
葉月かなえ「好きっていいなよ。」(3)
人を知って……
恋を知れ
■3巻発売しました。
学校一のモテ男・黒沢大和とお付き合い(仮)を始めて早半年。一応キスはしたが、それっきり。いまだに呼ぶときは「黒沢くん」だし、なかなか自分の気持ちを素直に出せない。いや、この気持ちが何なのかさえ、よくわからない。そんな中、やたらとめいに突っかかってくる子が。どうやら彼女も黒沢のことが好きらしい。思わぬ恋のバトル勃発に、めいは・・・?
なんか凄いタイトルになってしまった…。別に狙った訳じゃないんですが(何を)。というわけで、「好きっていいなよ。」3巻です。なかなか素直になれないめいと、その隙を突いて黒沢にアプローチをかけてくる女の子たち。黒沢くんって本当にもてるんですね。これだけモテキャラにしたのだから、相手のめいも、それに耐えうるだけの魅力を出していかなければならないでしょうから、これから大変だぞー。
さてこの3巻なのですが、恋のライバルとして登場した女の子・愛子がとっても印象に残りました。黒沢とは中学からの付き合い。今ではキツめの風貌と、そのスタイルの良さで男子の目を集めている彼女ですが、中学時代は太っていて、さらに彼氏に裏切られ身も心もボロボロになっていたという過去があります。そんなときに、黒沢から優しい言葉をかけられ、以来黒沢のことを想いつづけているという状況。ってこれだけ書くと、とっても一途な女の子のように思えるのですが、実は不特定多数と関係を持っているという、ちょっとだらしない子だったりします。いや、だらしないって表現は違うか。この愛子が、タイトルの「ヤリマン」になります、はい。

彼女なりの、精一杯の告白。
誰よりも大和を想っている→大和を想ってダイエットをした、きれいになりたいって改めて思えた→色んな男とHしたけど、いつも大和を想ってた(←これがわからないんだ)。どうして大和を想ってダイエットをして、見事に痩せることができたのに色んな男とセックスしてしまうのか。普通だったら、痩せた私の体は大和にしか許さないって発想に行くんじゃないんですかね。そこがとにかく不思議だったのです。
確かにダイエットに成功したものの、急激な体重変化に耐えられず、お腹にはいくつもの皺が残ってしまいました。ひとつコンプレックスが消えたと思ったら、またひとつコンプレックスが。その体を彼女自身は「嫌だ」と思っており、また同時に、この“傷”を受け入れてくれるのは大和だけだと思っています。だったらなお更何故、と。ダイエットに成功したものの、新たにコンプレックスができてしまった、その空虚感を埋めるために、セックスという手段を選ばざるを得なかったのか。はたまた生まれ変わった自分の価値を確認するために、セックスをし続けたのか。愛子は一体どういった心持ちだったのか、男の私にはうかがい知ることはできません。なんとなく、自分のレビューの限界、男が少女マンガをレビューする限界のようなものを感じてしまいました。とはいえラストは明るい形で締めてくれて良かった。こういう終わり方をさせるから、葉月先生って素敵です。
愛子と同時に、もうひとりこの巻で非常に印象に残ったキャラが・・・
大和の妹・凪(10歳)
葉月かなえが・・・幼女・・・だ・・・と…!?いや、別に出てきても全く問題ないのですが、葉月かなえ先生と幼女って全然結びつかなくて。いるじゃないですか、年齢的にも見た目的にもそういう話があってもおかしくないのに、どうしても結婚というものがイメージできない女の人って。で、そういう人から結婚の話を聞かされるとものすごく驚いちゃうっていう。いや、この例え、たぶん違う。さて、凪の紹介に戻りましょう。上の画像の通り、強気な女の子で、お兄ちゃんが大好きなブラコン少女。初対面のめいを「ブス」の一言で一蹴するなど、かなり強めのお姫様。その一言では飽き足らず、「こんな人が兄ちゃんの彼女なんてがっかり」と、容赦ないです、すごい。そんな傍若無人なお姫様ですが、実は不登校児だったりします。クラスメイトとの折り合いがつかず、気がつけば孤立。兄だけが心の拠り所でした。そんな兄が連れてきたのが、ぱっと見地味すぎるめいじゃあ、そりゃがっかりもするわな。しかしそれだけで終わらないのが、めいの凄いところ。彼女自身もクラスで孤立していた過去があり、そのつらさを知る彼女は、凪に優しく歩み寄ります・・・

他人からの優しさに、初めて触れた凪。気がつけば打ち解けていた。

彼女なりの、精一杯の歩み寄り。言葉で上手く伝えられなくとも、行動でその想いを伝える。この姿勢はめいも少しは見習ったほうが良いんじゃないんですか?
もうなんかね、葉月先生らしからぬハートウォーミングなストーリーだったのですよ。本当に、恋愛抜きの、優しさだけに溢れたお話で。エロティックなティーンズラブ一辺倒の先生かと思っていたので、この変わり身には驚き。葉月先生、本当に計り知れないです。しかもこの凪、かわいいから困る。こりゃあもう全力でプッシュせざるを得ないでしょう。どうやら一発キャラで終わらずに、これからもちょくちょくストーリーに絡んでくる模様。やや気だるげな雰囲気になりがちなこの話で、一服の清涼剤となってくれるのか、期待しつつ見守りたいと思います。

基本はこんな感じですけどね。またこれもかわいい。
とりあえず4巻への展望を書きつつ締めたいと思いますが、次巻でついにめい初体験か!?正直そこがこの物語の一番の見所であると思われるだけに、期待大。果たしてどんな心情描写がなされるのか。3巻ではペッティング(でもないか・・・)止まりだったので、このステップアップのペースでいくとそろそろ。とはいえまたしてもライバル登場で、すぐにってことはなさそう。今度は読モですよ読モ。気がつけば話が飛躍している感もありますが、めいが自分のフィールドでどっしりしていてくれればそれで大丈夫!次も楽しみですね。あと凪の登場回数がちょっと多くなってくれるといいなぁ。
■購入する→Amazon
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bk1

人を知って……
恋を知れ
■3巻発売しました。
学校一のモテ男・黒沢大和とお付き合い(仮)を始めて早半年。一応キスはしたが、それっきり。いまだに呼ぶときは「黒沢くん」だし、なかなか自分の気持ちを素直に出せない。いや、この気持ちが何なのかさえ、よくわからない。そんな中、やたらとめいに突っかかってくる子が。どうやら彼女も黒沢のことが好きらしい。思わぬ恋のバトル勃発に、めいは・・・?
なんか凄いタイトルになってしまった…。別に狙った訳じゃないんですが(何を)。というわけで、「好きっていいなよ。」3巻です。なかなか素直になれないめいと、その隙を突いて黒沢にアプローチをかけてくる女の子たち。黒沢くんって本当にもてるんですね。これだけモテキャラにしたのだから、相手のめいも、それに耐えうるだけの魅力を出していかなければならないでしょうから、これから大変だぞー。
さてこの3巻なのですが、恋のライバルとして登場した女の子・愛子がとっても印象に残りました。黒沢とは中学からの付き合い。今ではキツめの風貌と、そのスタイルの良さで男子の目を集めている彼女ですが、中学時代は太っていて、さらに彼氏に裏切られ身も心もボロボロになっていたという過去があります。そんなときに、黒沢から優しい言葉をかけられ、以来黒沢のことを想いつづけているという状況。ってこれだけ書くと、とっても一途な女の子のように思えるのですが、実は不特定多数と関係を持っているという、ちょっとだらしない子だったりします。いや、だらしないって表現は違うか。この愛子が、タイトルの「ヤリマン」になります、はい。

彼女なりの、精一杯の告白。
誰よりも大和を想っている→大和を想ってダイエットをした、きれいになりたいって改めて思えた→色んな男とHしたけど、いつも大和を想ってた(←これがわからないんだ)。どうして大和を想ってダイエットをして、見事に痩せることができたのに色んな男とセックスしてしまうのか。普通だったら、痩せた私の体は大和にしか許さないって発想に行くんじゃないんですかね。そこがとにかく不思議だったのです。
確かにダイエットに成功したものの、急激な体重変化に耐えられず、お腹にはいくつもの皺が残ってしまいました。ひとつコンプレックスが消えたと思ったら、またひとつコンプレックスが。その体を彼女自身は「嫌だ」と思っており、また同時に、この“傷”を受け入れてくれるのは大和だけだと思っています。だったらなお更何故、と。ダイエットに成功したものの、新たにコンプレックスができてしまった、その空虚感を埋めるために、セックスという手段を選ばざるを得なかったのか。はたまた生まれ変わった自分の価値を確認するために、セックスをし続けたのか。愛子は一体どういった心持ちだったのか、男の私にはうかがい知ることはできません。なんとなく、自分のレビューの限界、男が少女マンガをレビューする限界のようなものを感じてしまいました。とはいえラストは明るい形で締めてくれて良かった。こういう終わり方をさせるから、葉月先生って素敵です。
愛子と同時に、もうひとりこの巻で非常に印象に残ったキャラが・・・

葉月かなえが・・・幼女・・・だ・・・と…!?いや、別に出てきても全く問題ないのですが、葉月かなえ先生と幼女って全然結びつかなくて。いるじゃないですか、年齢的にも見た目的にもそういう話があってもおかしくないのに、どうしても結婚というものがイメージできない女の人って。で、そういう人から結婚の話を聞かされるとものすごく驚いちゃうっていう。いや、この例え、たぶん違う。さて、凪の紹介に戻りましょう。上の画像の通り、強気な女の子で、お兄ちゃんが大好きなブラコン少女。初対面のめいを「ブス」の一言で一蹴するなど、かなり強めのお姫様。その一言では飽き足らず、「こんな人が兄ちゃんの彼女なんてがっかり」と、容赦ないです、すごい。そんな傍若無人なお姫様ですが、実は不登校児だったりします。クラスメイトとの折り合いがつかず、気がつけば孤立。兄だけが心の拠り所でした。そんな兄が連れてきたのが、ぱっと見地味すぎるめいじゃあ、そりゃがっかりもするわな。しかしそれだけで終わらないのが、めいの凄いところ。彼女自身もクラスで孤立していた過去があり、そのつらさを知る彼女は、凪に優しく歩み寄ります・・・

他人からの優しさに、初めて触れた凪。気がつけば打ち解けていた。

彼女なりの、精一杯の歩み寄り。言葉で上手く伝えられなくとも、行動でその想いを伝える。この姿勢はめいも少しは見習ったほうが良いんじゃないんですか?
もうなんかね、葉月先生らしからぬハートウォーミングなストーリーだったのですよ。本当に、恋愛抜きの、優しさだけに溢れたお話で。エロティックなティーンズラブ一辺倒の先生かと思っていたので、この変わり身には驚き。葉月先生、本当に計り知れないです。しかもこの凪、かわいいから困る。こりゃあもう全力でプッシュせざるを得ないでしょう。どうやら一発キャラで終わらずに、これからもちょくちょくストーリーに絡んでくる模様。やや気だるげな雰囲気になりがちなこの話で、一服の清涼剤となってくれるのか、期待しつつ見守りたいと思います。

基本はこんな感じですけどね。またこれもかわいい。
とりあえず4巻への展望を書きつつ締めたいと思いますが、次巻でついにめい初体験か!?正直そこがこの物語の一番の見所であると思われるだけに、期待大。果たしてどんな心情描写がなされるのか。3巻ではペッティング(でもないか・・・)止まりだったので、このステップアップのペースでいくとそろそろ。とはいえまたしてもライバル登場で、すぐにってことはなさそう。今度は読モですよ読モ。気がつけば話が飛躍している感もありますが、めいが自分のフィールドでどっしりしていてくれればそれで大丈夫!次も楽しみですね。あと凪の登場回数がちょっと多くなってくれるといいなぁ。
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