このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [読み切り/短編] 2009.08.16
僕が君にウヅキ☆ミドリ「僕が君にできること」


桜舞い散る 入学式の日…
振り返ると
俺の理想が
そこに居た…



■読みきり4編を収録。それでは表題作をご紹介。
 入学式の日、藤原の目に飛び込んできたのは、自分の理想を絵に描いたような女の子・松下。細身に黒髪、大きな目は、いつもどこか伏せがちで、大人しい。幸運にも同じクラスになったのだが、声をかけても避けられることがしばしば…。そんなところがツボであり、悲しいところでもある。そんなある夜、道端に座り込む彼女を発見する。しかも顔・体にはひどいアザが。居てもたってもいられなくなり、思わず彼女の手を引いて自分の家に連れて行った藤原だったが…!?

 作者さんのデビューコミックスだと思われます。表題作の他、読みきり3編を収録。レーベルはりぼんマスコットコミックスですが、掲載誌はマーガレットとクッキーと、ちょい大人むけな内容となっています。主人公も高校生~大学生あたりがメインと、個人的には一番読みやすいゾーン。ちなみに表題作の主人公は男と、若手にしては珍しいなという印象を受けました。

 クッキーあたりで描いているせいなのか、りぼんや別マで見られるような恋愛ド直球な内容じゃなく、やや変化を加えたようなテイストになっています。ただ極端に外れるわけではなく、ちょいと気取ってみましたぐらいのレベル。そのせいなのか、やけにくさい台詞が響いてこないで、かつ鼻につく気も。恋愛好きの学生が撮った自主制作映画みたいな(なんだその例えは)。なんだろう、中途半端ってのとはまた別なんですよね。狙っているのかはわからないのですが、少しはずしたゾーンを狙うのなら、もっと外しちゃっていいと思うんだ、と。結局軸となっているのはありきたりな話(少女漫画・女性むけ漫画スタンダード)なので、それを踏まえてバランスとるなら、大きく外しちゃってもいいんじゃない?と。絵柄は非常にこなれた感があるので、方向性さえ定まれば、結構好きかもしれんです。


【男性へのガイド】
→表題作は男が主人公ではあるものの、基本的には女性むけの匂いが強く出ています。思わず女の子をギュッとしちゃうなんて、普通の男にはない選択肢ですもの。
【私的お薦め度:☆☆   】
→日常の風景を物語に昇華させようとしたものの、完成には至らなかったというか。ただちょっとしたきっかけでグンと良くなりそうな気もするので、これからの作品に注目。普段マンガ読まないような女性のほうがむしろ好みそうな印象も。



作品DATA
■著者:ウヅキ☆ミドリ
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックスクッキー
■掲載誌:ザマーガレット(平成21年1月号,3月号)、クッキー(平成21年5月号),クッキーボックス(平成20年夏号)
■全1巻


■購入する→Amazon

カテゴリ「Cookie」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。