
昼の光をうつす真青の瞳に
銀糸の髪をして
金色花冠竜と共にいる…
■3巻発売しました。
何の前触れもなく、突如として氷の都からの攻撃を受けた星の都。星の都の姫君・リリフロラは、捕らえられた両親を取り戻すため、そして国を救うため、花の都の王子のもとへと旅立った。真青な瞳に銀糸の髪を持ち、金色花冠竜に乗るその王子の名は、イルギス。一目見ただけで彼と分かる、華やかで凛々しい風貌。「恋はするな」との母の忠告が、彼の前では吹き飛びそうになるが、とりあえずは出発だ。無事に両親を取り戻すため、二人は変装をして氷の都へと潜入した…!!
「花冠の竜の国」の次世代編です。とはいえ私は中山星香作品はこれが初めて。「妖精国の騎士」で実績を残すベテラン先生ですが、独特の絵柄はなかなかハードルが高くて…。っていうかこの先生の絵って、遠目にも一発で分かりますよね。これがネックになって手を出せずにいるって方も結構居るんじゃなかろうかと思います。目の描き方が本当に特徴的なので。
さて、内容のほうですが、前作(?)を読んでいなくてもこれといって問題はありませんでした。少し分かりづらいところや、ここはどうなんだって場面もあったのですが、それは前作を読んでいなかったからというよりも、この作品の作りの甘さによるものなんじゃないかなって気がします。
ヒロインは、星の都の姫君・リリフロラ。氷の都の突然の攻撃の中、なんとか逃げ切りイルギス王子のもとにたどり着きます。ここからイルギスと共に、家族の奪還&国を守るために行動に移るのですが、このリリフロラがとにかく厄介な性格。一言で言うなら「感情的すぎる」というか。作者さんはツンデレ的なものを狙っているのですかね?とはいえこれだけ感情のみで短絡的に行動されたら、かわいさのかけらもありゃしないです。こんな女の子を上手いこといなして、掌中に収めているイルギスは本当にスゲーな、と。私だったらキレている(笑)とはいえこの性格だからこそ、物語がめくるめく展開していくとう面も少なからずあると思うので、頭ごなしにダメ出ししちゃいけないんでしょうけど。
「めくるめく展開」という言葉を使いましたが、本当に展開が早い…というか急です。そこにヒロインの性格も相まってドタバタ感も出ています。これが良いと思うか悪いと思うかは、読み手次第。個人的にはもうちょっと落ち着いてもいいと思ったのですが、それだとキャラが活きないのかな。
【男性へのガイド】
→ファンタジー好きには薦められるかもしれないですが、基本的には男女関係なく、中山星香ファンが購入してればいいんじゃない?という作品。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→物語の作りやキャラの造詣、ドタバタ感や世界観など、どう見ても読者の新規獲得には向かない(というか想定してない?)と思うんですが。秋田書店系のハイファンタジーが個人的に苦手だということを差し引いても、オススメ度はこのぐらいになってしまうかな。
作品DATA
■著者:中山星香
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD
■既刊3巻
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